ワンルーム、コンパクトマンションを中心に収益用不動産の企画・開発・販売を手がけるトーシンパートナーズ。創業30年を超える同社が6年前より展開する「ZOOM(ズーム)」シリーズが、個人投資家から高く評価されている。その背景やZOOMシリーズの特長を渡部和徳執行役員に聞いた。

安定的な収益源をポートフォリオに──

「各メディアで老後2000万円問題が大きく報道されました。公的年金だけでは老後資金が不足する可能性が高いため、それを補う収益源の確保が重要です。これは、かねてより当社がお客様にご説明してきたことにほかなりません。年金以外に、月10万円、20万円の収入があれば、引退後の見通しもずいぶん立てやすくなるはずです」と渡部氏は言う。

渡部和徳(わたなべ・かずのり)
株式会社トーシンパートナーズ
執行役員
営業本部 副本部長

投資対象の選択肢は多様だが、金融資産の場合、例えば現在も米中問題や中東問題などで一喜一憂する局面が多い。さらに、中長期の金融市場の動向となれば専門家でも予測は難しい。

そうした中、不動産投資は収入のブレが小さいのが特徴だ。特に首都圏の主要都市ではリーマンショックや東日本大震災の時も家賃収入の下ブレはあまりなかった。こうした安定的な資産をポートフォリオに組み込んでおくことが、先行き不透明な時代にはいっそう重要となる。

空き家の増加が社会問題となる中、今後の賃貸経営のリスクについて心配する声もあるが、それについて渡部氏は次のように答える。

「少子化や人口減少といった問題を全国平均で語っても意味がありません。東京都の人口は23年連続で転入超過。世帯数は今後も当面増加し、特に単身者の割合が高いことが予測されています(※)

(※)東京都総務局「世帯数の予測」、平成27年国勢調査「家族類型別一般世帯数」など。

物件、サービスの差別化で高い入居率を実現

そこでトーシンパートナーズでは、東京都内を中心に投資用マンションを展開している。ただ、立地だけで物件の差別化を図り続けるのは難しい。同社が優位性の確保に向けて重視しているのが徹底したマーケティングに基づく物件企画である。

「仮に同じ路線でも、駅が違えば住む人の属性や嗜好性は異なります。土地の特性や生活環境を緻密にリサーチし、そのエリアで最も高い家賃収入を得られるマンションをつくることがオーナー様の収益につながると考えています。当社には創業以来260棟を超える開発実績がありますから、そのノウハウも存分に生かしてデザインや間取りをブラッシュアップしています。ZOOMシリーズといっても、それぞれ個性があり、同じ物件は二つとありません」

事実、不動産仲介会社のZOOMシリーズのイメージは、“相場以上の家賃設定であっても、すぐに入居者が決まる”というものだ。毎月公表している入居率については、ほぼ一貫して99%台の後半を維持している。またデザインについても、5年連続でグッドデザイン賞を受賞、国際的な建築賞である「Asia Pacific Property Awards」での受賞など高い評価を得ている。

一方、同社から購入したオーナーから評価が高いのが、アフターサポートだ。同社ではカスタマーサポートを専門に扱う部署を設置。オーナーそれぞれに担当者が付き、日々の物件管理から経営に関する相談まで幅広く対応する。

また、メンテナンス保証も充実している。オーナーの想定外の出費を軽減するため、エアコンと給湯器については故障、不具合が生じても、10年間にわたり無償で保証する。さらに、あらゆるメンテナンス費用に充てられる「おうちポイント」も進呈している。

加えて近年は、入居者とのコミュニケーションの強化も推進中だ。例えば、今年2月にオウンドメディア『ZOOM LIFE』を立ち上げ、毎日の暮らしをより楽しむための情報を発信している。

「狙いは、暮らしにかかわるソフト面でのサービス向上です。賃貸住宅は、周辺物件との比較の中で入居者様から選ばれるため、独自の差別化ポイントを持つことが強みになります。今後もさまざまな取り組みで、ZOOMファンを増やしていきたいと考えています」

すでに現在、ZOOMを気に入り、引っ越しの際に別のZOOM物件を選ぶという人も少なくないという。ハード、ソフト両面での地道な努力が高い入居率を支えているわけだ。

「安全で、安心する」「センスが刺激される」「実用的で使いやすい」がコンセプトの「ZOOM」シリーズ。立地の特性に合わせ、一つ一つデザインされている。
●ZOOM戸越銀座
アジア太平洋地域の優れた物件を表彰する「Asia Pacific Property Awards」の「建築」「開発」の2つのカテゴリーで「Award Winner」を受賞。
●ZOOM渋谷神山町
●ZOOM両国

「がん団信」の登場などローンのあり方も変化

安定的な収益を目指せる投資対象として確かな実績を重ねるトーシンパートナーズのマンション。いざ、購入となれば多くの人は金融機関から借り入れをすることとなるが、現在投資用不動産に対する融資環境は厳しくなっているとも聞く。

「確かに全体としてはそうした傾向がありますが、これまで堅実に企業経営を行ってきた事業者、担保価値が認められる物件に対して融資の締め付けはなく、当社の物件についても確かな実績が評価され、問題なく融資が下りています。むしろ現在は、超低金利と相まって融資のメリットを得やすい状況といえます」と渡部氏は話す。

ローン返済中に万一のことがあった場合、残りのローンが全額弁済される団体信用生命保険の利便性も高くなった。最近は「がん団信」(ステージ1であったとしてもがんと診断されると、ローン残高がゼロになる)という商品も登場している。渡部氏は「がん団信の利点を評価し、これまで収益用不動産に関心がなかった方からの引き合いも増えています」と言う。

20年後、30年後も入居者から選ばれ続けるマンションを開発し、オーナーとの関係性も長期的な目線で構築。一人一人異なるニーズや将来イメージにきめ細かく応え、“物件の購入から出口戦略である売却まで、最適な提案を行うことが役割”というトーシンパートナーズ。その真摯な姿勢は、資産運用の頼れるパートナーとして十分検討に値する企業といえそうだ。

会報誌、ウェブサイトの両方で展開する「ZOOM LIFE」。入居者へLIFE DESIGNに役立つ情報を発信することで、関係性の強化を図るのが狙いだ。
https://zoomlife.tokyo