人手不足が深刻化する一方、働き方改革への対応も求められる昨今、人材の採用や教育、配置などを担う人事部門の役割が重要度を増している。そうした中、採用活動や人材管理の効率化をサポートするソリューションサービス「ジョブスイート」シリーズの提供によって、多くの企業から支持を得ているのがステラスだ。同社取締役執行役員の大塚篤朗氏に、開発の基本にある理念や今後の展開について聞いた。

事務量が3分の1以下に
応募者の辞退率低下も

大塚篤朗(おおつか・しげあき)
株式会社ステラス
取締役執行役員
JPOSTING事業部長

1973年生まれ。法政大学工学部経営工学科卒業。2006年ジャパンジョブポスティングサービス(現ステラス)入社。12年執行役員就任、19年取締役執行役員就任。

「面接日時の調整や求人票の作成、関連部署への連絡といった日々の業務だけでも多忙なのに、経営陣からは『採用関連データの分析を行ってほしい』『採用にかかるコストをもっと下げられないのか』などと新たな課題への対応が次々に要請される……。今日、多くの企業の人事採用部門は、業務量の増加と生産性の向上との板挟みに頭を悩ませています」

大塚氏はまずそのように語った。同社に寄せられるシステム化の相談が近年ますます増えているのも、そうした状況があるからにほかならない。実際、採用管理システムを導入することで、どのような効果が生まれるのだろうか。

「今までメールでの連絡、エクセルでのリスト作成、紙の履歴書の閲覧など、バラバラに進めていた作業が、同じシステムで“一元管理できる”。一言でいえば、これが最大のメリットです。一元化によって事務作業が軽減されるほか、社内の関係者との連携も容易になるなど、あらゆる面で効率化が進む。蓄積されたデータを分析し、採用活動を改善していける点も大きいでしょう」

そして見逃せないのが、情報セキュリティの強化だ。

「人事部門というのは、いわば個人情報の固まり。万一漏えいすれば、被害は計り知れず、スピードや柔軟性を求められる一方で細心の注意が必要とされる採用現場のストレスは想像以上のものがあります。個人情報を安全かつスムーズに管理、共有できることは企業のガバナンス強化はもちろん、社員の生産性や働きやすさの向上にも寄与します」

現にステラスの採用管理システムを導入した企業では、さまざまな成果が上がっている。

ある企業では事務量が3分の1以下に減ったことで応募を処理する能力が上がり、要員を増やすことなく採用数を増加させることに成功した。また、外出先からでも状況を把握して選考を進め、応募者への対応をスピーディにしたことで、応募者の辞退率を低下させた企業もある。別の会社では、事務作業を減らした時間で面接に同席するなどして候補者の状況をつかみ、候補者の意向を尊重した選考活動を行うようにした結果、通過率向上と辞退率減少が実現した。

採用のミスマッチは、関連部署との連携不足が原因のことも多いと大塚氏。

「事業部門も使いたくなる利便性の高いツールがあり、データに基づく建設的な話ができるようになればコミュニケーションは円滑化し、現場で必要な人材像も明確になって、採用の質は自然と向上します」

課題の本質を見極めて継続的な改善を実施

これまで20年以上にわたり、自動車会社、電機メーカー、金融機関など、数多くの一部上場企業を含む1000社以上の支援を行ってきたステラス。数あるシステムの中で、同社が支持される理由はどこにあるのか──。

「それは、顧客企業の人事担当者とともに一つ一つの課題と真摯に向き合い、業界の先駆者としてシステムを磨き上げてきた歴史に負うところが大きい」と大塚氏は言う。

「当社のシステムは、まさに現場の人事の方に育てていただいたものだと思っています。採用管理システムの提供元には、人材関連のビジネスを手がける会社もありますが、当社は特定分野との関係を持たず、お客様企業の人事担当者とその課題だけを見て、どんなサービスが有用かを考え続けてきました。システムの画面構成や使用感など、機能の細部にそうした蓄積の成果が表れているからこそ、評価をいただけているのだと思います」

そこでは、単に要望に応えるのではない“本質を見抜く目”が光っている。

「一人のお客様の意見をそのまま機能化するだけでは、その方の希望にしか沿うことができません。意見を掘り下げ、そうした希望を出された背後にある問題の本質を見極めることによって、多くの方に喜んでいただけるサービスが実現できる。そう考えています」

導入時にはサービス担当者が利用状況を踏まえながら設定をサポートし、その後も専任のスタッフが支援サービスを提供する。そして、その中で顧客の意見を吸い上げ、現在もシステムの頻繁なバージョンアップを継続している。

全体最適化につながるシリーズ化を推進

ステラスは現在、人事業務全般の生産性向上に貢献すべく、個人向けサービス「ジョブスイートナビ」の提供も含め、「ジョブスイート」シリーズの強化およびサービスラインアップの拡充に力を注いでいる。

「人事の仕事は、当然ながら採用業務だけに留まりません。本当の効率化や生産性向上は、社内外のステークホルダを巻き込み、企業活動全体を見据えて初めて可能になる。それには人事部門が旗振り役となって社内全体の人材資源を管理し、今あるリソースを最大化するための仕組みが必要だと考えています」

「ジョブスイート」シリーズのラインアップを拡大し、各システムの連携を進めれば、人事担当者にとっての利便性はさらに向上する。最適なソリューションを組み合わせ、真に顧客企業のプラスになる提案を行えれば、人事業務の全体最適化を実現することが可能になるのだ。

「“働くこと”を通じて人と組織をつなぐトータルソリューションを提供していきたいというのが私たちの思いです。自社開発の枠にとらわれず、外部との連携も積極的に図り、その際もお客様との対話を通じて“真意”を汲み取る姿勢を忘れずに課題の解決に取り組んでいきますので、ぜひどんな要望でも投げかけていただきたいと思います」

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