ゴルフのスウィングにおける、「軸」のイメージについては、これまで、いろいろな説明がされてきました。例えば、90年代に、「ボディターンスウィング」という言葉が大流行した頃は、体がすっぽりと入る大きな「筒」をイメージして、その筒の中で回るといった、「太い軸」や、テークバックでは右足を軸に回転し、ダウンスウィングからは左足を軸に回転するという、「2軸」理論などで、「軸」を説明するケースが多かったと思います。また、7~8年前には、「スタック&チルト」という理論が、米・PGAツアーで大流行しました。これは、アドレスからフィニッシュまで、基本的に左足の上で回転する、いわゆる「左1軸」理論で、当時、タイガー・ウッズが採用したことでも話題になりました。ただ、現在は「太い軸」や「2軸」、あるいは、「左1軸」を採用しているプロは、それほど多くありません。
世界のトッププロはみんな「1軸」で打っている
では、現代のトッププロが、どういう「軸」のイメージでスウィングしているのかというと、それは、不動の「1軸」ということになります。例えば、今年、全米オープンと全米プロの、メジャー2冠を達成した、ブルックス・ケプカのスウィングを見ると、トップまでは、体の各部が1ミリも右サイドに動いていないのがわかります。また、生涯グランドスラム(現役の間に、4大メジャー大会のすべてに優勝すること)まで、あと1勝(マスターズ)と迫っている、ローリー・マキロイなどは、テークバックで右に動かないどころか、ダウンスウィングでも、ほとんど左に動かずに、その場でターンして打っています。つまり、左右方向への「揺れ」を、極力排除して、1本の軸を中心に回るというのが、世界的なトレンドと言えるでしょう。
軸が不動であるメリットは、まず、高速で回転できるということ。そして、高速で回転すると、今度は、スウィング軌道が安定するというメリットも期待できます。これは、おもちゃのコマが回転する様子を想像すると、簡単に理解できます。コマは、軸心が中心につけられていないと、上手く回ることができません。これは、ゴルフで、軸が左右にぶれると、スピードを上げて振れないのと同じです。また、コマは、勢いよく回っているときは、ぶれずにその場で回り続けることができますが、回転が弱まってくると、軸がぶれて、コマ自体が揺れてしまいます。つまり、ゴルフでも、速く回れるほうが、軌道のぶれが少なくなるということなのです。
アマチュアの場合、「回転」や、「軸」の意識が弱く、体を左右に揺らしながらボールを打とうとしている人が多いようです。これだと、飛距離も出ませんし、当然、方向性も悪くなります。
軸を意識した途端に動きが「回転」になる
スライス など、方向性の問題で悩んでいる人は特に、しっかりとした、「軸」の意識を持つことが大事です。その際、体の前側に軸をイメージしてしまう人が多いのですが、それよりも、背中側に軸を意識するほうが、スウィング安定の効果が高いと言えます。クラブなどを、背骨にぴったりと押し当てて、そのクラブを中心に上体を回すと、頭の位置を中心に、左右にぶれない回転ができます。これが、体の前側に軸の意識があると、テークバックでは体が左にずれやすく、ダウンスウィングでは逆に、体が右にずれやすくなります。
また、アドレスでの、両足への体重のかけ方も重要です。両足とも、少しつま先寄りに体重をかけて、わずかに前のめりになるイメージで、腰を高くして構えると、アドレスが安定します。また、スウィングをスタートさせたあとも、トップ、インパクト、フォローの各ポジションで、つま先寄りの重心をキープするように意識すると、前後左右のぶれを少なくすることができます。逆に、アドレスで体重がかかと寄りになり、お尻が落ちた構えになると、スウィングをスタートした瞬間に、体が揺れてしまいます。
軸ぶれを起こす、もう一つの要因が、腕の力みです。グリップを強く握り締めると、腕から肩まで力が入り、上体をスムーズに回転させることができなくなります。そうなると、腕の力で、直線的にクラブを引っ張り上げ、直線的に引っ張り下ろすことになるので、体が左右に揺れやすくなるわけです。
軸を意識して、体の回転で打つ感覚が身につくと、クラブがインサイドから下りるので、ボールはつかまります。また、より速いスピードで振れるようになり、飛距離もアップするはずです。ぜひ、試してみてください。
マジェスティ プレステジオ X(テン) DRIVER & IRON
気持ちよく振れて飛距離が出る!
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