物件価格は乱高下しても賃料はほぼ一定

吉村 拓(よしむら・たく)
株式会社パートナーズ
代表取締役

1980年千葉県生まれ。2004年に駒澤大学を卒業。投資用不動産の開発会社勤務を経て、米国最大手の外資系金融機関へ入行。リスクマネジメントを担当する部門で経験を積んだ後、投資用不動産専門仲介業者へ入社。現場の最前線でトップセールスとして活躍し、MVPや数々のタイトルを獲得。東日本大震災の際、被災地にてボランティア活動を体験する中で、同年9月、パートナーズを設立。著書に『不動産投資の「勝ち方」が1時間でわかる本』。

「不動産投資で成功する条件。それは端的に、入居者に選ばれる物件に投資することに尽きます。家賃収入が得られない投資用不動産はただの負債になってしまいます」

都心の中古ワンルームマンションの仕入れから販売まで自社で一貫して行うパートナーズの吉村拓社長はそう切り出した。同社が提供物件の立地について「都心9区(※)、駅徒歩5分圏内」にこだわる理由も、まさにここにあるという。

「当社は首都圏を中心に多くの物件の賃貸管理も行っていますが、都心9区の物件は引っ越しなどで部屋が空いても、すぐに次の入居者が決まります。そうした実績に基づき、当社ではエリアを絞っているのです。そもそも東京は人口の転入超過が継続しており、単身者世帯も増加している状況。加えて、都心の人気エリアはマンションが建てられる土地が少ないうえ、ワンルームマンション規制もあって競合が増えにくいといった好条件がそろっています」

不動産投資は融資を受け、家賃を得ながら運用するため少ない自己資金で始められる。また、実物資産としてインフレに強いので人気が高い。「しかし、人に勧められるままに始めるのは危険で、リスクがあることは認識しておくべきでしょう」と吉村氏は言う。

パートナーズが考える不動産投資成功のポイントは次の五つに要約される。
(1)将来にわたり入居者が入る物件を選ぶ。
(2)適正な価格で購入する。
(3)有利な金融機関で融資を組む。
(4)投資の目的をはっきりさせる。
(5)一定の自己資金が必要なこと、リスクがあることを理解する。

「繰り返しにはなりますが、まず考えるべきは利回りより入居者が付くかどうかです。そのうえで物件の価格が適正かを判断し、ベストな融資先から資金を調達する。さらに私的年金や万一の保険としてなのか、相続税対策なのかなど投資の目的を明確にする。そして自己資金を使いながら繰り上げ返済もしていくという意識が大切です」

同社では継続的な家賃収入によるインカムゲインを重視した都心ワンルームマンションの“超長期保有”を推奨する。そのメリットは「歴史が証明している」と吉村氏は言う。

「一般的には、株や不動産の価格は景気が良くなれば上がり、悪くなれば下がります。例えばバブル時代に新築価格が約5000万円だった新宿区内のあるワンルームは、バブル崩壊後に800万円ほどになりました。しかし、歴史が証明しているとおり、同物件に限らず景気変動の影響で不動産価格や株価は乱高下するが、都心部人気エリアのワンルームの家賃は景気の良し悪しにかかわらず、ほぼ一定水準で推移しているのです」

実際に推移を見ると、そのことがよくわかる(グラフ参照)。そして吉村氏によれば、今は都心の不動産を取得するチャンスでもあるという。

「週刊住宅新報」の調査を基に作成。

「日本同様に先進国の人口が減る一方で、ロンドン、パリ、東京などの各国主要都市の人口は増えており、不動産価格も上がっています。さらに東京は世界の都市別GDPで1位を獲得し、大学の都心回帰も活発になる一方で、海外から富裕な留学生も集まるなど、将来の需要にも期待が持てる。超低金利のもとで、物件の利回りから融資金利を引いたイールドギャップも、海外に比べ大きくプラスになっています」

専門性の高いプロが長期の運用をサポート

では、不動産投資市場におけるパートナーズの強みはどこにあるのか。吉村氏は、独自の情報収集力に基づく“仕入れ力”を挙げた。

「当社では、さまざまな不動産会社や地主様とのネットワークをもとにデータベースを構築しており、未公開物件を中心に毎月約1000件、年間1万件以上の物件情報が集まってきます。昨年は、年間800件近い物件の売買成約をしました。また数ある物件情報のうち『都心9区、駅徒歩5分圏内』の優良物件を適正価格でエンドユーザー様に提供できるのは、全体のわずか0.8%程度で希少物件になります」

売主との直接取引によって仕入れた優良物件を、各種仲介業者を挟むことなくダイレクトに顧客に提供。中間マージンをカットし、より適正な価格で物件を提供するのがパートナーズの特徴だ。

適正価格での購入は、先に挙げた五つのポイントの一つだ。

「良い物件を手放さざるを得なくなるというのは、購入費が高すぎて運用に失敗したケースが多いんです。購入価格は後から変えられませんから、いくらで買うかは非常に重要。また、高額なローンを組んで金利が1%異なれば総支払額は数百万円という単位で変わってくるため、有利な融資先の検討も欠かせません。当社ではお客様のご希望や目的をうかがいながら、資金計画などのコンサルティングをしっかり行い、適切な金融機関を紹介していきます」

長期にわたる運用では、相談相手になる専門家がいるとやはり心強い。同社には宅地建物取引士はもちろん、不動産コンサルティングマスター、賃貸不動産経営管理士、相続診断士といったより専門の資格まで取得する社員が多く、不動産投資の各分野のプロがそろっている。顧客からは「法律上の家主の義務やライバル物件の情報提供、適正な家賃の調査など、丁寧に対応してもらえるので心強い」といった声も寄せられるという。

もちろん管理についても、入居者募集、家賃の集金、契約や更新の手続き、また日頃の入居者対応まで、一貫したサービスを提供している。

「われわれの担当者には何でも話せる親戚のような感覚で、気になることをざっくばらんにご相談いただきたい。そうして気持ちよく運用できる関係を築くことが大切だと考えています」

場合により物件を売却する際も、パートナーズのネットワークを生かした販売が可能だ。

今、不動産投資を行う人が持つべき視点とは何だろうか。最後に吉村氏に聞いた。

「賃貸不動産への投資は、“マンション経営”とも言われます。つまり市場を分析し、将来を見据え、得られるリターンを考えながら、多彩な選択肢からベストなものを選ぶという経営的な視点が欠かせません。例えば賃貸管理を委託するというのは人を雇うのと同じですからその目利きができるか、パートナーとなる会社の体制や健全性をどう評価するかといったことも含まれるでしょう。こうした経営的な視点を持ち、主体的な判断ができる方は、やはり成果を出されています」

こだわりのある物件と親身なコンサルティングが高く評価されているパートナーズ。不動産投資を考える人なら、まさに頼れるパートナーとして一度検討してみる価値がありそうだ。

(※)千代田、中央、港、渋谷、新宿、目黒、品川、文京、世田谷の9区。また、都心9区以外でも駅徒歩1~3分以内の物件は提供。