常に「患者さん視点」で考える
当社には患者さんを理解し、患者さんの視点で考える文化が根付いています。単なる薬の提供という範囲を超えて患者さんに寄り添い、その人生を応援するために、製薬企業として何ができるのかを常に考え、社員は日々疾患と向き合っています。そのことを、患者さんを中心に考える──ペイシェントセントリシティーと呼んでいます。
私たちは患者さんがどのタイミングで疾病に気づき、いつ治療が必要になり、治療後にどのような人生を送りたいのか。そうした患者さんの治療の道のり(ペイシェントジャーニー)を見つめ、患者さんの生活の質を向上するために何ができるのかを社内で話し合います。
患者さんが疾患によってどのような気持ちになり、経験をするのか。患者さんに直接話を伺う機会を設け、彼らが経験する症状を疑似体験し、彼らが向き合う課題を考えます。
また社会の疾患への理解を深め、患者さんやそのご家族、ひいては皆が住みやすい環境にするために、さまざまな疾患啓発活動も積極的に行っています。
例えば、見た目に現れる症状から「理容・美容院に行けない」という半数以上の乾癬(かんせん)患者さんからの声を受けて、理容師、美容師の方々を中心に疾患への理解を深めていただくことを目的に実施した啓発活動を行いました。こうした活動はすべて患者さんの声を受け、実現したものです。
昨年は当社にとって初めての新薬となるC型肝炎の治療薬を上市。薬の提供のみならず、テレビを通じての疾患啓発やコールセンターを設置しての情報提供サポートを行っています。また、患者さんが正しく服用しやすい薬のパッケージも日本独自でデザインしました。
薬の開発、提供だけでなく、患者さんが適切な治療を受け、継続できるようにできる限りサポートすることもわたしたちの大切な仕事だと考えています。
戦略的にも非常に重要な国である、日本におけるバイオ医薬品企業のリーダーとして、医療従事者、患者さん、自治体ほか、さまざまな人々とパートナーシップを組み、日本の医療環境が、患者さんやご家族にとってより良いものになるよう今後もさまざまな活動を行っていきたいと考えています。
風通しの良い組織の中で適所適材で人材を育成する
これまでお話ししたような取り組みは、優秀かつ情熱を持つ人材なしには成しえません。ビジネスでは五カ年計画をよく立てますが、キャリアパスについても、5年後自分がどのようなポジションにいたいのかを社員全員に考えてほしいと思っています。そのために上司や部下、同僚とオープンで正直な会話をし、フィードバックができる環境が必要だと考えています。
当社は幸い大きく成長しており、多くの優秀な人材を必要としています。社員が思い描くキャリアパスと会社のゴールをシンクロさせ、適切な職務に適切な人をつける、適所適材により、患者さんの笑顔に貢献し続けるという共通のゴールを目指す、会社と社員の建設的な関係が構築できると確信しています。
アッヴィには、「One AbbVieとして」「賢明かつ確実な判断」「迅速性と責任感」「明確にそして勇敢に」「可能性の実現」という5つの行動指針があります。より複雑化する医療環境の中では、変化に柔軟に対応できる人材と強い組織を作り上げることが重要です。
部門を横断したコラボレーション、そして多様性の尊重と、フィードバック文化を推進していくことで、わたしたちはより早く、より安全に、待っている患者さんのもとに薬を届け、患者さんとそのご家族の笑顔に貢献し続けることができると信じています。