清水謙二(しみず・けんじ)
株式会社セレコーポレーション
営業本部 集合営業部長

「女性のゲストは、新たに生まれたスペースを収納にも活用するなど、アイデアあふれる使い方をしています」と清水部長は言う。「同じ床面積なのに生活空間が広がることで、自分なりの暮らし方、楽しみ方ができる。それによって、自宅に帰ることが楽しくなる。休日に友達を呼びたくなるわけです。従来は単純に駅からの距離や床面積で賃料が決められていましたが、当社の商品は生活空間に新たな価値を加えることで、相場より高い賃料を実現しています」。

そんなセレコーポレーションの独自商品は東京・京橋本社に併設するモデルルームで見学することも可能だ。

「モデルルームには、土地オーナー様がいらっしゃるのはもちろん、賃貸仲介会社の担当者が部屋探しをしている方を連れてくることもあります。おかげさまで多くの方が、実際の間取りを見て、従来の発想にはない室内設計に感心してくださいます」と鈴木取締役。「相場以上の家賃でも、そこに付加価値があればゲストは“割安”に感じます。そのため長く住み続けていただけますし、結果的にオーナー様の収入も安定することになります」。

同社では今、賃貸仲介会社の専任化を進めている。事業エリアを40ほどに分割し、1、2社の賃貸仲介会社を選定。セレコーポレーションの理念と価値観を共有することで、賃貸仲介の質と効率を高めていく狙いだ。すでに専任で任せている仲介の方が賃料が高くなる傾向が表れており、商品価値の理解が結果につながってきている。

「コンパクト・エコ・ライフ」がコンセプトの「フュージョン」。これまで未使用だった1階の床下などに着目し、空間を立体化。下の空間はワークスペースや収納など使い道はいろいろだ。アイデアしだいで暮らしの質を高められる。女性に敬遠されがちだった1階の人気が高まる効果も。

コンサルティングで“建てた後”もサポート

感動空間の創出や賃貸仲介会社の専任化など、独自性の高い戦略を実践している同社。この春には新たに「資産コンサルティングチーム」を設置し、オーナーへの支援を強化した。

「アパート経営の目的は、相続対策や事業承継、私的年金など、それぞれ。皆さま、将来の課題を解決しようと事業を始められます。もちろん、そうした課題は単にアパートを建てることで解決するものではなく、20年、30年にわたる事業の継続が前提となります。そうした長い時間の中で、いかに資産価値や収益性を維持・向上していくか──。新チームは、そこをサポートしていきます。低金利を活用したローンの借り換えや事業の法人化、保険の活用など、外部の専門家とも連携して具体的な提案を始めており、すでに資産価値をアップさせる事例も複数出ています」(鈴木取締役)

商品開発からアフターサポートまで、多面的な取り組みで事業拡大の道筋をつけている同社だが、鈴木取締役は「規模は追求しない。あくまでもアパート経営の専門店としてあるべき姿を追求していく。そのため、供給数も現在は年間150棟程度に絞っている」と言う。それが最終的にはオーナーの利益につながると確信している。

同社の事業活動の根本にあるのは、社会への貢献である。「アパート経営の専門店として、将来を担う若いゲストに最高の笑顔と感動を提供し続ける」──。明確な事業ポリシーを持つ企業をアパート経営のパートナーにしたい。そう考える土地オーナーにとって、セレコーポレーションは見逃せない一社といえそうだ。