採用業務のトータルサポートで採用機会の損失を無くし、企業の求める人材を効率よく最適に採用してもらうために

価格設定以外にも、もうひとつこだわった点があるとのこと。それが、ダッシュボード画面の見やすさと使いやすさだ。


ダッシュボード画面(例)

「複数の求人メディアを一元管理できたとしても、その見え方が複雑だったり分かりにくかったりすれば、結局のところ作業は煩雑なままです。また、各求人メディアからの応募数などは分かっても、その後の進行状況まで分析できなければ、次の採用に向けた改善はできません。そこで、とにかく見やすく使いやすい、分析しやすい設計を目指しました」(同)

求人の方法が多様化する中で、それにかかるコストも同時に増幅している。そこで担当者が知りたいのは、各求人メディアの「費用対効果」だ。『ジョブオプ採用管理』では、求人メディア毎の応募単価や採用単価などを分析できる。それはコストカットや効率化につながる。

また、採用活動のフローを改善していく上でも、安田氏はこのツールが役立つことを想定している。というのも、これまでの採用傾向や、各フローでのデータをきちんと把握することにより、企業は求める人材を採用しやすくなるからだ。

とはいえ、そういった「機能のメリット」は、採用担当者にツールをきちんと使ってもらって初めて提供できるものだ。これまで述べてきたこだわりを、「無駄な機能」で終わらせない。そのためにも、ダッシュボード画面の見やすさや使いやすさにはかなりの力を入れて、開発を行ったのだった。

さらに、「採用活動の改善につなげる」という意味で、安田氏は以下のような構想を語る。

「4月よりソリューションコンサルタントという職種とその組織を作りました。これは、いわば“採用活動のコンサル部隊”。『ジョブオプ採用管理』を使っていただいている方に対し、そこで出たさまざまなデータを提供して、採用活動における課題解決を一緒に考えていく組織です」(同)

たとえば、面接希望の多い時間帯と実際の面接実施時間を比べたり、応募者の属性と採用結果を照らし合わせたりして、より効率良く、求める人材を獲得する方法をデータから考えていくという。

これらによって、求人〜採用のフェーズについては、担当者の負担を減らせるかもしれない。そして今後は、「採用だけでなく、その後についてもサポートしていきたい」と安田氏は語る。

「飲食店や小売店の採用担当者にとって、採用後もスタッフの育成、シフトの管理など重要な仕事があります。しかも、雇用者は多種多様で、一人ひとりにきちんと対応しようとするために、相当な労力が必要です。ですから今後は、入社後の育成や労務管理などにおいても、人ではなくてもできる業務について、テクノロジーでサポートできるよう、新たなシステムの開発や既存サービスの改善を続けていきたいですね。そうやって、採用担当の方にとことん向き合っていきたいと思っています」(同)

アルバイトやパートの育成を満足に行えなければ、早期に辞める人が増えることにもつながる。実際、大量に採用しても、しばらく経つと大半が辞めてしまう現場も少なくない。企業にとっても、「長く働く事のできる環境づくり」が今後必要になってくる。

しかし、それを人事や店長に任せれば、彼らの負担は増すばかりだ。だからこそ、彼らを助けるシステム・ツールの開発が必要になってくる。こうしたテクノロジーの活用が、冒頭の「活躍できる人材の“採用機会の損失”を防ぎ、“人材不足”の解消につなげる」という世界観を実現するための、切り札になるかもしれない。

少子高齢化の中で、求人・採用の課題は深刻になりつつある。それらを改善するために、採用や人材育成にまつわるツールが進化することを期待したい。