例えば、営業販路を開拓したいが社内リソースは限られる。専門性の高い人材を採用したり、コンサル会社に頼ったりする余裕もない──。そんな悩みに具体的な「答え」を提示するのが、インテリジェンスの「i-common(アイコモン)サービス」だ。「課題の発掘から実行、解決までを支援します」。カンパニー社長の鏑木陽二朗氏が、仕組みと特長を説明する。
鏑木陽二朗(かぶらぎ・ようじろう)
i-common company
カンパニー社長

2001年インテリジェンス入社。10年採用ソリューション統括部ITグループマネジャーを経て、11年i-common立ち上げ。14年1月から現職。
──アイコモンは「経営顧問」による経営支援サービスですね。

【鏑木】そうです。「顧問」と聞くと、何だか堅苦しいイメージがあると思います。でも実態は異なり、大手企業の幹部経験者はもちろん、高度な専門スキルをもつ30代の方々もアイコモンに登録して活躍しています。彼らがもつ「ノウハウ」と「実行力」は、中小企業には得難い資産。それを経営課題ごとに必要な期間、最適な形態でご活用いただけるのがアイコモンの基本的な仕組み。一般的なコンサル会社に依頼する5分の1ほどのコストで、利用しやすいのが特長です。

事業スタート後の3、4年は、中堅・中小やベンチャー企業からの依頼が大半でした。それがこの1年、名だたる大手企業の活用も増えてきました。急速に変化する産業構造や市場ニーズに対応すべく、迅速に専門力を強化したいという、明確なミッションを、限られた期間の中で確実にやり切るというフレームは、当社サービスが最も得意とするところです。また、ガバナンス強化を考えている企業からは、「社外取締役」の問い合わせも増加中。「人材サービス」と「コンサルティング」のハイブリッド化で、新たな市場も生まれてきています。

少ない人員で関係企業を
一気に攻略したケースも

──では、サービスの具体的な中身を教えてください。

【鏑木】依頼内容としては「営業販路の開拓」や「新規事業・サービスの開発」、あと「海外進出」「経営・人事」の支援が多いですね。例えば、あるシステム運用保守のIT企業は、売上拡大へ向けて新たな営業先を模索していました。そこで、まずは当社がコンサルティングし、新たな営業ターゲットを選定。その分野に強みをもつ社団理事が顧問・専門家となることで、少ない営業人員ながら、多くの関係企業を一気に攻略できたという事例もあります。

当社の場合、料金が発生するのは顧問・専門家の方が委託契約を受け、業務を開始した時点から。人選前段階での、問題点の発掘やテーマ設定などのコンサルティングにコストはかかりません。単に人材データベースの中から候補者をリストアップして紹介する、といったやり方ではなく、顧客のパートナーとして一緒に経営を考えていく中で、最適な顧問・専門家の力を取り入れていただく。これが私たちの強みなのです。

──この事業にかける「思い」を。

【鏑木】先ほども触れましたが、コンサルティングを「人材サービス」でやることに意味があると考えています。たくさんの費用がかかる大手コンサルファームからは、確かに膨大なアウトプットが出てくるでしょう。でも、それを誰が実践するのでしょうか? 私たちは、この従来の構造を変え、経営課題に悩む中小企業の「実行力」になりたいのです。実は昔、私の実家はオーナー社長として事業を営み、苦しい時期を迎えたことがありました。そのときに感じたのは、専門性を備えた人材がいれば……という思いです。磨き抜かれたノウハウや知見を安価に提供する。しかも、共に解決していく。これが、私たちの役割です。