子供の自傷と希死念慮に直面したら何をするといいか。精神科医の松本俊彦さんは「子どもの自傷に向き合うとき、家族だけで子どもを支えようとすることには限界がある。親自身が、ショックや不安、無力感、罪悪感、孤立を経験しやすい。こうした状況を防ぐためにも、家族が専門家とつながることは重要である」という――。

※本稿は、松本俊彦『希死念慮と自傷のことがよくわかる本』(大和出版)の一部を再編集したものです。

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子供から見た親の「無視」

自傷は、人に見せるためというより、むしろ隠されやすいものです。

だから、家族がわが子の「死にたい」という言動に気づく段階では、本人の状況がかなり切迫している恐れがあります。

親御さんのなかには、より慎重になり、希死念慮や自傷の話題そのものを避けたがる人もいます。

どこかで子どもの話を聞かなければならないとわかっていても、どんな反応をされるのかが怖くなり、話しかけられなくなる人も。

「無視」や「見て見ぬ振り」は、“大人の対応”のように見えるかもしれませんが、じつは親自身の感情を優先した「冷静さを欠いた行為」のひとつだといえます。

子どもからすると「親は気づいているはずなのに、なにも言ってくれない」と、親から見離されたような気持ちになります。深い落胆を招き、どこにも居場所がないような孤立感を覚えるようになるでしょう。