親自身の危機に陥った際に頼るべき機関
また、親自身が不眠や抑うつ、強い不安におちいることは珍しくありません。親の心身の不調を整えることは、家庭の雰囲気を安定させ、子どもへの対応を安定させることにもつながります。精神科・心療内科・かかりつけ医などに相談することも検討して下さい。
自傷のある子の親は、ケアによる疲弊が起こりやすいことが知られています。親の調子が崩れてしまうと、家庭の雰囲気がわるくなり、子どもに安定的な対応ができなくなります。
厚生労働省の「まもろうよこころ」には、電話・SNS相談窓口がまとまっています。これは、親自身の危機にも使うことができるので、チェックしてみてください。
学校が原因なら本人同意で相談を
学校との連携が必要かどうかは、まず学校が苦しさの原因に関わっているか、そして学校が支えになりうるかを見極めることからはじまります。
学校の外におもな原因があり、本人にとって学校が安心できる場になっているなら、学校側に自傷のことを知らせる必要はないでしょう。
けれども、いじめ、友人関係、教師との関係、学業や部活動など、学校生活が苦しさに関わっているなら、学校を外したままにはできません。学校でのつながりや居場所は、10代の自殺念慮や自傷のリスクを下げる保護因子でもあるからです。
ただし、学校への相談は、できるだけ本人の同意を得て進めます。思春期の子どもは、自傷や「死にたい」という気持ちを大人に知られること自体を強く恐れていることがあります。
本人に無断で話を進めると、「裏切られた」「もう話せない」という不信感を強めてしまうことがあります。まずは本人と話し合い、「なにを、だれに、どこまで伝えるか」を決めましょう。
必要なのは、学校に知らせることそのものではありません。本人が安心して自分の気持ちを話せるようにするための連携をつくることです。
相談先は、最初から広くする必要はありません。担任、養護教諭、スクールカウンセラーなどから、本人が話しやすい人を窓口にすればよいでしょう。学校と家族が役割分担し、本人が「学校でも家でもひとりではない」と感じられるように環境を整えることが大切です。



