※本稿は、潮田学『「あなたのため」をやめましょう 親のエゴを手放せば子どもは動き出す』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
現代人に強く根付いている“外側の基準”
本書では、ここまで、私たちが過去に受けてきた教育の傷や、そこから形づくられた「呪縛となっている3つの中核信念」について見てきました。
しかし、ここで無視できないもう一つの要素があります。
それは、私たちの中に強く根付いている“外側の基準”です。
今この瞬間、私たちが生きている外側の基準(現代の社会システム)そのものが、私たちの「エゴ」をさらに強固にし、子どもへの純粋な愛情を覆い隠してしまっているのです。
それを一言で表現するならば、多くの現代人が侵されている「頭でっかち症候群」です。
「良かれと思って」子どもをコントロール
本書で定義する「頭でっかち」とは、「認知のすべてが外側の世界にのみ向けられ、自分の内側の本音(感覚・感情・願い)が完全に遮断されている状態」を指します。
私たちは、成果や効率、成長といった価値観が当たり前とされる、資本主義という巨大なOS(基本ソフト)の上で生活しています。
そして、このOSは、常に私たちに「外側」を見るように強制しています。
・自分の心がどう感じているかよりも、「効率」がいいのはどちらか
・自分たちが何を大切にしたいかよりも、どんな「成果(数字)」が出るか
・目の前の子どもがどうあるかよりも、「他者と比較」して優れているか
・自分の直感が何を伝えているかよりも、世の中にある「最適解(正解)」は何か
このように、意識のすべてが「外側の基準」に向いてしまうと、私たちの視界は曇り、自分や、目の前の子どもが見えなくなってしまいます。
外側の基準から外れることを極端に恐れ、常に不安にかられてしまう。
これが「頭でっかち症候群」です。外の世界の基準に翻弄され、自分の本音を置き去りにしたまま、私たちは「良かれと思って」子どもをコントロールしようとしてしまいます。


