治療のための病院紹介や
フォローにも万全を期す

柱となる受診コースは「1日コース」と「1泊コース」で、これらにオプション検査を加えたり、「フルオプションコース」を受けたりすることもできる。オプションのなかでもMRI検査は全受診者の約1割が選択。検査部位は「頭部」「前立腺」「子宮・卵巣」「上腹部」から選べる。特に日本人男性の前立腺がんが顕著に増えている今日、「50代を迎えたら前立腺MRIがお勧めです」と葉室氏は言う。

ドックでの検査の結果、より精密な検査や治療が必要な場合は、連携する専門クリニックから大学・総合病院まで、受診者の状態や希望に応じた医療機関を紹介する。

「私たちの医療ネットワークは首都圏で118、関西で93の機関に及びます。それぞれの治療方針や医療機器、医師の専門資格や実績、予約の有無など39項目を調査し、私たちの医師全員で検討した上で正式に契約を結んだ連携先です」

一方、検査結果が正常範囲でも、先々に向け生活習慣の改善が望ましい。そんな場合などは、2つのアフターフォローが用意されている。

1つ目は「生活習慣改善コース」で、専門スタッフが一緒に改善方法や無理のない目標のプランを立て、電話やメールでフォロー。1回ないし2回の再検査で効果を測定し、その後の生活アドバイスも行う。たとえ病気とは診断されない状態でも、もし検査結果が年々悪い方向へ推移していれば、対策は早い方が断然ベターである。そこに予防医学の大きな意義があり、葉室氏が指摘した「継続受診の重要性」もあるわけだ。

もう1つのアフターフォローは「フォロー健診コース」。ドックの6カ月後、より短期間での観察が有効な項目のみを検査し、「次のドックが1年後では不安」という受診者の声に応えている。

アムス丸の内パレスビルクリニックには夫婦で受診する人々も多い。2人とも健康であってこそ、より人生が充実するのは間違いない。

「人間ドックの可能性を追求し、やがて予防医学が日本の文化として定着することを目指したいですね。将来的には、検査結果や生活習慣などから病気のリスク予測を提示できる仕組みなど、お一人お一人の状態やライフスタイルに合ったサービスや情報を提供していきたいと思っています」