Key Word 2 健康
見えにくい日照、通風、温熱環境などを
「見える化」した住宅性能表示
家族が健康に暮らせる家というと、何を思い浮かべるでしょうか。日照や通風、夏は涼しく、冬は暖かい家。あるいは、珪藻土の壁材や無垢材のフローリングなど、自然素材を多用した家をイメージする方も多いと思います。
戸建て住宅はマンションより居住性が劣ると思われてきました。とくに温熱環境においては、屋内の場所によって温度差が大きく、冷暖房効率が悪いともいわれます。
しかし、昨今は適切な断熱の方法で、大きく改善されています。また、住宅の居住性は品確法の施行とともに導入された「住宅性能表示制度」により、住宅の住み心地が比較できるようになっています。
住宅性能表示は、10分野32項目について性能を評価し、3~5の等級で表したものです。先に述べた構造に関するもののほかに、温熱環境や通気、遮音、シックハウス対策、窓の面積、バリアフリーなど、健康と快適さにかかわる項目も含まれています。
住まい選びでは、この性能表示を見て、さらにどのような対策・工夫がなされているのか、詳しい説明を聞くようにするとよいでしょう。
ただ、性能表示の等級はすべてにおいてレベルが高ければ良いというものでもありません。等級が高ければ、それだけコストがかけられているわけですから、住宅も高額なものになります。自分の生活において、どのような性能を重視するのかを検討しておくことが大切です。
住宅の温熱環境は、暮らしの省エネ化とも深く関わりますが、住宅の省エネといえば、昨今の話題はスマートハウスです。ITを使って、家庭内のエネルギー消費を適正に制御するスマートハウスが、一昨年ごろから相次いで商品化されています。省エネ効果の面では、まだ課題があると指摘する向きもありますが、今後のトレンドとなっていくのは間違いないでしょう。
一方、住宅の省エネ設備で実効性があり、人気の高いのが太陽光発電です。設置に当たっては、国の補助金が使えますし、余剰電力を電気会社に売ることで、電気料を節約できます。
一般に、一家族で発電量3~4キロワットのソーラーパネルの設置が目安とされ、条件により差はありますが、発電量の50%ほどは売電できるといわれます。3~4キロワットのソーラーパネルは、建築面積83平方メートル(約25坪)以上の住宅であれば設置が可能です。