テストの点数が良ければいいわけではない

「内申点」の評価対象に含まれるものは、定期テストの点数だけではありません。キーワードは「提出物」と「忘れ物」です。

提出物を「期限内に出す」のは当たり前(スタートライン)です。評価されるのは、その質です。ワークであれば、丸付けをするだけでなく、間違えた問題の横に「なぜ間違えたか」「どう解けばよかったか」の解説を赤ペンで書き込んでいるか。授業プリントであれば、板書以外に先生が口頭で言ったことをメモしているか。このような「学習の足跡」が、主体的な態度の評価として加点されます。

また、軽視されがちなのが「忘れ物」です。リコーダーや体操着など、特に実技教科での忘れ物は「授業に参加する準備ができていない」とみなされ、致命的な減点対象になることがあります。

テストの成績だけではなく、こういった「提出物」と「忘れ物」、そして授業態度などにも気を配ることが大切です。

実技4科で高得点を取る生徒の特徴

多くの受験生を見てきた経験から、実技4科で「5」を取る生徒には共通点があることに気づきました。それは「妥協を許さない完璧主義」な生徒が多いということです。

彼らは主要5科目だけでなく、実技4科目でも「なんとなく」で済ませることを嫌います。例えば、英語の授業で疑問が出ると理解できるまで質問を繰り返します。実技科目、例えば美術では、自分が納得できるまで細部にこだわって作品を完成させます。

清水章弘『中学校の実技4科が1冊でしっかりわかる本』(かんき出版)
清水章弘『中学校の実技4科が1冊でしっかりわかる本』(かんき出版)

この「中途半端な完成度を許さない」「細部までおろそかにしない」という厳格な姿勢がそのままテストの得点や成果物に表れます。

また、家庭にも共通点があります。それは、「教科に優劣をつけない」という価値観が保護者に浸透しているということです。「美術なんていいから英単語を覚えなさい」「体育は適当でいい」などと口にしていると、「実技は手を抜いていい教科だ」という子どもが勘違いしてしまう。それが学校での消極的な態度として表れ、内申点の低下につながります。

また、4教科も高成績な家庭では、休日に美術館に行ったり、一緒に料理を作ったり、スポーツ観戦に行ったりと、実体験を大切にしています。結果として、子どもは「数学の図形問題」と「美術のデッサン」を別のものと捉えず、「どちらも空間認識能力を使う面白いもの」としてリンクさせて捉えることができます。

トップ校に受かる子どもは、勉強はもちろん、行事や部活、実技科目も前向きに楽しみます。この「何事も面白いと感じる好奇心」こそが、結果として内申点「オール5」を引き寄せます。

実技4科目は、皆さんの心を豊かにし、人生をより良く生きるための力をあたえてくれます。ぜひ、楽しみながら学んでください。