“死角をなくす姿勢”の保育園は期待していい
ニュースになるような不適切保育がおこなわれている場合には証拠映像を検証することができる。だが他にも、こんな使い方があるという。
「保護者の保育園に対する信頼はとても大切です。しかし園児が必ずしも本当のことだけを話すとは限りません。なかには、保護者からの気を引くために、事実と違うことを口走ってしまう子もいるんです。弊法人の施設でも、過去に『先生にぶたれた』『先生に無理やり給食を口に突っ込まれた』という訴えをした園児の保護者から相談を受けた経験があります。そうした行き違いをなくすためにも、見守りカメラは重要な役割を果たすのではないかと私は考えます」
利便性は理解できる一方で、子どもをカメラで“見守り”することに一定の抵抗を示す保護者もいるのではないか。それに対して、近藤さんは極めて論理的に話す。
「もちろん、そうした抵抗感を示す人はいます。ただ、何よりも重要なことは安全管理も含めた子どもの保育にリソースを割けるかという点です。保育士ひとりで見渡せる範囲にはどうしても限界がありますし、不適切保育や保育事故などのほとんどは死角で発生します。そうした死角をなくす方向に舵を切れる保育園は、時代の流れに合致する部分が多いのではないかと思います」
「手書きの連絡帳=愛情」をうたう保育園には注意
「似た話ですが、連絡帳の問題もあります。たとえば『連絡は絶対に電話か連絡帳で』という方針の園には疑問を感じます。『手書きによる愛情』という美点が盛んにクローズアップされますが、保護者と保育士という大人同士のやり取りにおいてICT化をしない理由は何でしょうか。
手書きは時間的コストが非常にかかる手段であり、膨大な業務時間になります。その時間を短縮して保育に充てるほうがよほど子どもに対する『愛情』だと私は思います。またデバイスでの連絡が不可であれば、日曜日の夕方に子どもが発熱してしまった場合、保護者が月曜日の朝に連絡をすることになります。デバイスならばすぐに連絡できて情報共有が可能なのに、結果的に不便を強いていることにもなりかねないですよね」



