2013年7月1日(月)

なぜ仕事を選ぶ人は成功できないのか? -対談 弘兼憲史×俣野成敏【3】

PRESIDENT Online スペシャル

構成=長山清子 写真=上飯坂真
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弘兼憲史
漫画家、『島耕作』シリーズ作者

俣野成敏

起業家、『プロフェッショナルサラリーマン』著者

【俣野】僕は自分に決定権がないことは悩まないようにしています。悩むなら自分に決定権があることを悩めばいい。悩む人って、「なんで俺がこの仕事をやらなくちゃいけないんだ」みたいな、悩んでも結果が変わらないことを悩んでいる。決定権のないことを悩んでも答えは出ないと思うんです。

【弘兼】与えられた仕事は文句を言わずこなすほうがいい。実は僕、人生設計ってあまり考えないんですよ。漫画家だから考えようがないんですけど。でも普通のサラリーマンだったら、入社して27、8歳ぐらいから30歳ぐらいまでに結婚して、しばらくして子供が生まれたら、6年後に小学校に入学して、さらにもう十何年たったら大学に行って……という標準的な人生設計を生命保険会社が作ってくれる。

このプランに則って生きていくと、何かの拍子にコースから外れたとき、ものすごいストレスになるわけです。なんとか予定通りに戻そうと余計なエネルギーを消耗するはめになる。だから僕は最初からこんなものは作らないことにしています。とにかく先のことを考えている人間に漫画家は向いていませんね。こんなに先がわからない職業はないわけですから。

【俣野】考えるより先に動いたほうがいいですね。サラリーマンも、今や先が見えないという点では近いかもしれません。サラリーマンも目の前に与えられたことを愚直にやっていると、だんだん「おまえ、次どれやりたい?」とか聞かれるようになるんですよ。今の先生のお話でいえば、ちゃんと締め切りを守るとか、そういうことを積み重ねて相手の信頼をちょっとずつ勝ち得ていくと、何となく選ばせてくれるようになるんですよね。

【弘兼】僕は週刊誌に連載していますから週1回締め切りがある。その締め切りをクリアするたびに小さな達成感があるんですよ。「よし、原稿1本あがった。今回はちょっと面白くできた」みたいな。その小さな喜びをずっと積み重ねていけば、気がついたら漫画家の場合、家が建つくらい成功することもあるわけですから。

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