2013年6月10日(月)

あなたの外見は、話の説得力を高めていますか?

達人に学ぶ「伝わる技術」 第10回

PRESIDENT Online スペシャル

著者
上野 陽子 うえの・ようこ
コミュニケーション・アナリスト

上野 陽子カナダ・オーストラリア留学後、ボストン大学コミュニケーション学部修士課程でジャーナリズム専攻、東北大学博士前期課程で人間社会情報科学専攻修了。通信社の国際金融情報部、出版社、海外通販会社役員などを経て現在に至る。著書に『スティーブ・ジョブズに学ぶ 英語プレゼン』(日経BP社)、『名作映画いいとこだけの英会話』(ダイヤモンド社)、『コトバのギフト~輝く女性の100名言』(講談社)、『1週間で英語がどんどん話せるようになる26のルール』(アスコム)、『Primeシリーズ1・ビジネス英語新人研修―女子のフレーズー』(ジャパンタイムズ)ほか多数。

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上野陽子=文
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「見た目が9割」の理論って本当?

話者が聞き手に与える印象の3要素である「3V」という言葉を、聞いたことがある方は多いかもしれない。これは人物の印象を決めるとされる3要素の頭文字である。その内訳は……、

Visual(視覚情報:見た目<表情・視線など>)… 55%

Vocal(聴覚情報:声と話し方<質・速さ・声の大きさ・口調など>)… 38%

Verbal(言語情報:言葉の意味・話の内容など)… 7%

このデータからは、人の印象の9割が「見た目・話し方」で決まり、内容よりもイメージが大切だという印象受けるだろう。

実はこれは、アメリカUCLA大学の心理学者アルバート・メラビアン博士のコミュニケーションに関する実験であり、本人は「あくまでも話者の『好き―嫌い』など感情や態度に関するコミュニケーション要素の実験であり、それ以外にはあてはまらない」(*1)としている。顔写真を使った限定的な要素実験のもとでのみ有効な数字ながら、さまざまな解釈で一人歩きしたデータが、日本ではあらゆるスピーチや対人関係における「見た目が9割を決める」といった解釈として広がっていったようだ。

博士自身も「話の中身が7%しか意味をもたないわけがない」と言うように、この数字をあらゆる場面にあてはめるわけにはいかないし、少なくともこの数値以上に「内容の重要度は高い」と考えられる。

それでもアイコンタクトをはじめとする人物の「視聴覚イメージ」が、話を聞く側に与える印象を決め、聞こうとする態度、ひいては「伝わる効果」に影響を与えるのは間違いない。アイコンタクトや身振りの詳細は、またの機会にふれさせていただくが、今回は服装やその場にあわせた、効果的な印象の作り方を考えていきたいと思う。たとえば、服装の違いによるこんな行動心理の実験を見てみよう。

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