「このところネット関連の法律相談で多いのは、『子供が有料サイトを利用して、多額の請求を受けてしまった』というものです」と神田将弁護士はいう。

ウイルスなどによる明らかに違法な誘導のほか、最近ではツイッターを利用して有料サイトへ誘いこもうとする業者もいる。また宣伝を装って郵便でDVDを送りつけ、受け取った人がPCに挿入すると、知らないうちに有料サイトの会員にされてしまったというケースもある。

有料サイトの会費トラブルは月数千円とか年会費1万円といった少額の場合が多いというが、勧誘のしかたによっては違法性を問うことができる。違法性がなくても、有料サイトを使ったのが子供であれば、法に訴えて料金を返してもらうことが可能である。

「民法(第5条)の規定により、未成年者が親の同意なく行った法律行為は原則として取り消すことが認められています。ですから、インターネット上の詐欺で子供をターゲットにするのは、詐欺の手口としてもあまり巧妙とはいえないと思いますね」(神田弁護士)

有料サイトの利用以外にも、子供が親のクレジットカードを使用し、インターネット・ショッピングで買い物してしまったというようなケースが考えられる。この場合も民法5条が適用され、カードを使用したのが未成年者だった場合、その取引は取り消すことができるのだ。

「『子供が勝手に買ったものなので返品したい』という要望があった場合、業者も返品に応じるのが普通です。法律で消費者の権利が認められているので、裁判ともなれば、取り消されることは業者側にもわかっていますから。子供がうっかり有料サイトの会員になってしまったというケースでも、良心的な業者であれば、事情を説明すれば契約解除に応じてくれるでしょう」(神田弁護士)

茅場町総合法律事務所 弁護士 神田 将
1963年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。98年、司法試験合格。著書・監修書として『図解による民法のしくみ』『インターネットの法律とトラブル解決法』などがある。