2013年5月27日(月)

「会社にしがみつかない」働き方

ワークスタイル3.0図鑑【1】

PRESIDENT 2012年2月13日号

著者
藤井 孝一 ふじい・こういち
アンテレクト代表

藤井 孝一

1966年、千葉県生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家の経営コンサルタントとして独立。『週末起業』(ちくま新書)など著書多数。

アンテレクト代表 藤井孝一 構成=大宮冬洋 撮影=相澤 正
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優秀な社員ほど社外活動を始めている

アンテレクト代表 藤井孝一氏

11年3月の東日本大震災以降、私が主宰する「週末起業セミナー」の参加者が急増している。週末起業とは、会社員でありながら余暇を利用して起業することで、リスクを抑えつつ事業を始められる方法だ。

以前は、「いつか起業したい」という夢を抱きながらセミナーに参加する人が大半だった。現在はもっと切羽詰まった雰囲気で、不況や電力不足、増税の不安定要素が重なり、「いつクビになってもおかしくない」「会社がなくなるかも」と、多くの人が会社生活に不安を抱えている。また、帰宅難民などの体験で、「家族の近くで働きたい」「やりたいことを先延ばししているうちに死ぬかもしれない」という現実にも気づき始めた。

会社での成績が上位2割層に入るような優秀で問題意識が高い人ほど、現状に強い危機感を持ち、週末起業などの社外活動を開始している。企業の耐用年数が短くなっている現代に、1つの会社だけで働き続けることは丁半博打のように危険な賭けだからだ。

「目の前の仕事に一生懸命に取り組んで自分の市場価値を高めるべきだ。そうすれば転職もできる」との反論もあるだろう。もちろん、平日は会社の業務をきちんとやり遂げるべきだ。それによって高まる能力もあるだろう。

しかし、「勤める」ということは他人からの評価に依存することを意味している。上司が代わったら評価も変わってしまう。組織に属していると、自分ではコントロールできない部分が多くなる。それなのに、丁半博打のように突き進むのは非常に危険だ。また、今の会社からリストラされるような時期には雇用状況が悪化している。どんなに優秀な人でも条件のいい転職は難しい。自分や家族の病気で急に会社を辞めざるをえないことも起こりうる。あなたは、そのときの「保険」をちゃんとかけているだろうか?

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