仕事で抜群の成果を上げている人と“そこそこ社員”とでは、身の回りの整理整頓にも違いがあるのだろうか。机、情報・思考、カバン、財布……。gooリサーチとの共同調査により、稼ぐ人は、あらゆるものの片づけにおいて優れていることが判明した。
調査概要/gooリサーチと共同で、インターネットを通じて調査を実施し、20歳以上で個人年収500万円台の人329人、1500万円以上の人323人のビジネスマンより回答を得た。調査期間は2011年6月10~14日。

仕事ができる人は片づけもできる。いや、片づけができる人は仕事もできるようになる。2500人の片づけを指導してきた私の結論だ。「かたづけ士」を名乗る私がこのような話をすると、「仕事が忙しくて片づける時間がない」と反論する人もいる。それは大きな間違いだ。

かたづけ士 小松 易氏

片づけていないから効率が上がらずに常に忙殺されているのだ。資料やモノを探すのに1日平均30分かけていると仮定すると、1カ月で11時間、年間で132時間、丸5日間もロスしている。有休を取って海外旅行に行ける日数だ。

私があえて言わなくてもわかっているのだろう。年収1500万円以上のビジネスマン323人と、500万円台の329人を対象にした今回のアンケート調査でも、9割以上のビジネスマンが片づけは仕事の効率に影響することを認識している(1)。しかし、わかってはいてもなかなか習慣化できないものだ。

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(1)みんな、整理の大切さをわかってはいる

片づけのできない人には、「前の前」「前」「中」「後」の4タイプがある。「前の前」は、片づけする以前の問題。そもそも片づけに無関心でやる気がない。「前」は先送り型。やるつもりはあるのだがとりかかれない。「中」は迷走・挫折型で、モノを捨てられなかったり、片づけ中に出てきた資料を読み込んでしまったりして作業が進まない。そして、「後」はリバウンド型。片づけはできるのだがその状態を維持できない。以下、4タイプすべてに効く処方箋を出す。