とくに採用ページは欲している人材像に加え、気の利いた会社なら活躍している先輩の体験談も掲載されていますから、自分に合うかどうかのイメージをつかむうえで必見です。

ただし、会社のホームページは会社側からの一方的な情報発信ですから、掲載されている内容の信頼性を確かめる必要があります。それにはビジネス誌や業界紙など、第三者が発信した情報で裏をとっていきます。学生でそこまで見る人は少ないですから、就職活動における差別化にもつながります。

朝早くから夜遅くまで働かされたうえに残業代も支払われず、パワハラやセクハラが横行しているようなブラック企業の問題が最近はクローズアップされています。会社のホームページや求人広告の内容から、ブラック企業はある程度予測できます。

たとえば、会社の謳い文句が「明るい未来が待っています」「元気ハツラツな職場」といった抽象的で大げさな表現が多用されているところ。職場環境が悪い会社の特徴は、どんどん人が辞めるから人が足りない点にあります。そこで大勢の人に応募してもらうため、万人受けする聞き心地のいい文句を羅列するのです。

募集広告で具体的な業務より「熱意」「やる気」などの精神論が強調されているところも気を付けるべきです。具体的な仕事の内容を記述すると人が集まらなくなってしまうから、そうしている可能性があります。

また、社員数に対して求人回数や募集人数が非常に多い会社は、人が全然足りていない、離職率が高いと推測できます。異常に平均年齢が若いと、長く働ける労働環境や待遇ではない懸念があります。処遇がよすぎる会社も要注意で、実はノルマ制でたくさん稼いでいるのはごく一部ということがよくあります。

ただし、人が足りないのは、会社が急成長していることが原因かもしれません。つまり、成長中のベンチャー企業にも前記の特徴が当てはまるのです。そもそもブラック企業の定義は難しく、経営資源が足りないベンチャー企業が存続、成長するにはがむしゃらに働くことも必要です。その仕事を通して得られるものがあると当事者が納得していれば、それはブラックとは言えませんし、そうした企業群の中から将来、エクセレントカンパニーと呼ばれる会社が出てくるかもしれません。

そのような判断を行うには、Aランクの情報を収集することが必要です。