2013年4月19日(金)

激変! 10年後の働き方、稼ぎ方

『ワーク・シフト』対談 リンダ・グラットンvs伊賀泰代

PRESIDENT 2013年4月1日号

荻野進介=構成 市来朋久=撮影
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先進国は新興国に凌駕されるのか。雇用規制は緩和されるのか。そして、日本の未来はどうなるのか……。2025年の働き方を提示した『ワーク・シフト』の著者と元マッキンゼーの人材育成のプロが、これから世界で起こる変化とそれに備える方法について考える。

『ワーク・シフト』が提示する、これからの働き方「3つのシフト」

1.ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
広く浅い知識しか持ってない「なんでも屋」の最大のライバルは、ウィキペディアやグーグルである。未来で成功するには、「専門技能の連続的習得」が求められる。これからニーズが高まりそうな職種を選び、高度な専門知識と技能を身につけ、その後もほかの分野に脱皮したりすることを繰り返さなくてはならない。同時に、自分の能力を取引相手に納得させる「セルフマーケティング」も重要になる。

2.孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ

未来ではイノベーションが極めて重要になる。そのためには、多くの人と結びつくことが必要だ。カギになるのは、オンラインで築かれる世界規模のコミュニティを指す「ビッグアイデア・クラウド」、同じ志を持つ仲間を意味する「ポッセ」、そして情緒面で安らぎを得るための「自己再生のコミュニティ」。この3 種の人的ネットワークが、創造性を発揮する源となる。

3.大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
所得を増やし、モノを消費するために働く──こうした仕事の世界の「古い約束事」がもはや機能しなくなっている。先進国の多くの人は、所得がこれ以上増えても幸福感は高まらない。働くことで得られる充実した経験こそが、幸福感の牽引役になる。時間とエネルギーを仕事に吸い取られる人生ではなく、もっとやりがいを味わえて、バランスのとれた働き方に転換しよう。

【伊賀】『ワーク・シフト』を読み、衝撃的だったのは、日本だけでなく、先進国全体が新たな試練に直面していることがよくわかったことです。しかも、そうやって読者を不安にさせて終わりではなく、3つのシフトを行えば明るい未来が待っているという解も示していただいた。この本が非常に多くの読者を獲得している理由はそこではないか、と思います。

最初にお伺いしたいのですが、この本はやはり大きな試練に見舞われる先進国の人たちに向けて書かれたと考えてよろしいでしょうか。

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