クリスマス、ハロウィーン、結婚式。イベントは身近でも歴史や宗派の違いはよく知られていない。イエス生誕以降、どのように変化してきたのか。
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各派の信者数・信者の多い国・特徴

日本国内ではキリスト教各派の中でカトリックとプロテスタント諸派の存在感が大きく、ロシア正教会などの正教会系は目立たない。ただし、カトリックにしてもプロテスタントにしても、日本の信者数は世界的に見て異例に少ない。キリスト教の信者数が人口の1%未満にとどまるのは世界でも日本だけだ。

その一方、キリスト教への反発も少なく、キリスト教に由来するクリスマスなどの行事は年中行事として根づいている。信者にはならないが、キリスト教へのシンパシーは感じているというのが日本人一般の心理である。ひとつ特徴的なのは、カトリックの信者には社会的に地位の高い人が多いということだ。

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キリスト教、主な変化

シンパシー醸成に貢献しているのが、数多くのミッションスクールの存在である。大まかにいうとカトリックは修道会、プロテスタントは宗派を単位として私立学校を運営している。

世界的に見るとカトリックの信者が圧倒的に多く、10億人を超えている。ローマ法王を中心とする堅固な組織を持ち、教義は厳格だ。カトリックの家庭に生まれた子供は幼いうちに洗礼を受け信者となる。

一方、プロテスタントには統一した教義はないに等しく、極端にいえば牧師が違えば聖書解釈も異なる。カトリックにおいては人を救済するのは教会であり神父だが、プロテスタントではあくまでも信者自身で、牧師は厳密にいうと聖職者とはいえない。また、内面の信仰を重視するため、洗礼を受けるのはカトリックよりも遅く、基本的には成年に達してからだ。

宗教学者 島田裕巳(しまだ・ひろみ)

1953年、東京都生まれ。宗教学者・文筆家。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了(宗教学専攻)。著書は『日本の10大新宗教』『葬式は、要らない』など多数。