安倍政権がアベノミクスの活況に湧く中、すっかり忘れられた存在になっているのが前総理大臣の野田佳彦氏だ。

新聞・テレビでも野田氏の動向が伝えられることはほぼ皆無。昨年末の衆院解散・総選挙で民主党を大敗に導いたA級戦犯だけに、党内の風当たりも強い。

「野田さんは頭をまるめて落選議員に謝罪行脚するのが筋。本来なら除名すべき」

民主党ベテラン議員はそう吐き捨てる。

「朝日新聞が2月22日付の紙面で“野田氏が5月ごろに著書を出版する準備に入った”と報じたが、同志を地獄に突き落としておいて回顧録を書くなんて、どういう神経なのか」(ベテラン議員)

この点について野田事務所は「朝日の報道は誤報。(野田氏のことなどを)本に書いている人がいて、その人に“内容の事実確認をしたい”と言ったら、野田が自分で本を書くと報じられた。そもそも3月初め現在で、自分で本を出す準備をまったくしておらず、5月に出版なんてありえないことです」と一笑に付す。

野田氏は足元もガタガタだ。

「実は野田事務所を長きにわたって切りまわしてきた股肱の臣とも言えるベテラン秘書2人が、昨年末に相次いで事務所を辞めています。うち1人(男性秘書)はみんなの党の国会議員の秘書に。この議員の選挙区は落選中の野田側近の地盤で、野田氏への面当てというのが永田町のもっぱらの噂です」(民主党議員秘書)

男性秘書は元保守新党代表の熊谷弘氏の秘書を経て、野田氏の秘書に転身。野田事務所の公設秘書として裏方に徹し、野田氏を支えてきた。ところが野田氏が財務大臣、首相と階段を駆け上がったのに対し、事務所の中心的存在だった男性秘書は、大臣秘書官はおろか首相秘書官にもなれなかった。

「男性は熊谷氏の秘書時代に1度、公職選挙法違反で逮捕されたことがある。そのせいで野田氏は男性ではなく、松下政経塾の1期後輩を大臣・首相秘書官に抜擢した。永田町では“野田は冷淡だ”と男性に同情する声が多かった。その後、秘書官とベテラン秘書の折り合いが悪く、2人とも退職した。もう1人の秘書は維新の国会議員の秘書に転身しました」

総理経験者なのに股肱の臣にまで愛想を尽かされるとは情けない。