またお金持ちはブランドショップにもいない。ものを買うなら知り合いから少しでも安くものを買うのが基本だから。ダイヤなら卸元などから直接買う。「大き目の石をルースで買って、自分で指輪にするのが一番投資効率がいい」などという。また高級ブランド店には、店頭にわざわざ出向かなくてもいい裏ルートが必ずある。

さらにお金持ちは「ブラックカード」や「プラチナカード」も持たない。「ゴールド」ですらいらないという。「年会費がバカ高くてもったいない、普通のカードで十分」なのだそうだ。必要な局面ではコネがあるので優遇されるし、不必要な場所で自分がお金持ちであることを、ことさら触れまわるのはリスクが大きい。

なんてケチなのかしら。これを読んで、呆れているかもしれないが、彼らは「お金を使うところ、使わないところのメリハリがはっきりしている」だけなのだ。ブランドバッグは必要なくても、友達を喜ばせるヴィンテージワインを気前よく開ける。ランチは1円まで割り勘でも、慈善事業に多額の寄付をしている。代々資産家の彼らにとってお金はあって当たり前、それに振りまわされない独自の価値観がしっかりあるのだ。そのメリハリを「ケチ」と嫌うようでは、とてもお金持ちの妻にはなれないだろう。

年末のパーティに招かれた友人は、二次会へ近距離移動のときこんな経験をした。

「大丈夫。近くだし。運転手さんお願いしますね」

大きなダイヤを着け、フォーマルドレスとタキシード姿の大人10人がタクシー2台にわかれ、ぎゅうぎゅう詰めになってワンメーターの距離を乗ったのだ。

「さすがに呆れた。でもこれが本当のお金持ち。見習わないとお金なんて貯まらない」

そのとおり。見栄を張るから無駄な出費も多い。本当のお金持ちは絶対に見栄を張らない。なぜなら彼らは「お金持ち」であることを人に知らせる必要がないのだから。

※プレジデント社の新刊『セレブ妻になれる人、なれない人』より抜粋。