縁なき多死社会…遺骨はゴミ箱、トイレ、電車網棚に捨てられる

故人を送る側のマンパワーも、高齢化や親族間の希薄化によって限界を迎えている。つまり、「縁なき多死社会」である。そして時に、人としての一線を越えさせてしまうこともある。

近年、身内の火葬後の遺骨を遺棄する事案が増えているのだ。埋葬や弔いを煩わしく思ったり、コストをかけられなかったりする人が、人知れず遺骨を捨てる。

鵜飼秀徳『絶滅する「墓」 日本の知られざる弔い』(NHK出版新書)
鵜飼秀徳『絶滅する「墓」 日本の知られざる弔い』(NHK出版新書)

その場所は、商業施設や公共施設のゴミ箱やトイレなど。さらには、電車の網棚に「わざと」骨壷を置き忘れて去っていく。骨壷の電車の網棚への置き忘れは、「古典的手法」として知られている。

遺骨は遺失物として扱われ、保管期間が過ぎれば、警察が引き取り、無縁の遺骨としてどこかの集合墓に入れられる。投棄となれば刑事事件に発展するため、「置き忘れ」の体を取るのだ。だが、火葬後の骨壷には埋葬許可証が入っているのが常。身元が判明する埋葬許可証はしっかりと抜き取って、電車に置き去りにするのだから、悪質としか言いようがない。

現在は、まだまだ多死社会の入り口にある。都会では、孤独死が当たり前の風景になりつつある。多死社会への対策は待ったなしである。

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