「グループ・ウォーキング」の驚きの効果

健康のためにウォーキングでも始めようかという人は、一人きりでやるのではなく、だれか他の人も誘ってみるといいですよ。

自分一人で黙々とウォーキングをしてもよいのですが、他の人とおしゃべりしながらウォーキングをしたほうが、楽しさは倍増しますからね。

イギリスにあるエッジ・ヒル大学のメリッサ・マーセルは、健康増進プログラムに参加した人のうち、1081名には「グループ・ウォーキング」をしてもらいました。何人かで一緒にウォーキングをしてもらう条件です。

もう一方の435名はコントロール条件に割り振られ、こちらの人たちは特に何もしませんでした。

さて、13週間後、うつ病の診断をしてみると、グループでウォーキングをした人は、抑うつ、ストレス、ネガティブな気持ちが減少し、ポジティブな感情の高まりが確認されました。グループ・ウォーキングは大成功だったのです。

ウォーキング自体にもストレス解消効果はあるのですが、さらに他の人とのおしゃべりを加えたグループ・ウォーキングは、その効果をより高めてくれると考えられます。

たまに何人かで公園を散歩しているグループを見かけることがありますが、そういうグループ・ウォーキングはどんどんやったほうがいいと思います。

遠足、ハイキング…企業はレクリエーションを増やした方がいい

かつての日本企業では、レクリエーションをかねて社員でハイキングや遠足に出かけるというイベントをちょこちょこやっていました。

会社のレクリエーションが面倒くさいという人も当然いたでしょうが、実際にやってみると、意外に面白いものです。みんなで連れ立っておしゃべりしながら自然の多いところを歩くのは、よい気分転換になるのです。

また、社内のレクリエーションを通して、お互いにもっと仲良くなれる、という効果もありました。

最近ではこうしたレクリエーションは、どの企業でも軒並み減ってきているようですが、本当はもっと増やしたほうがよいと思います。

デイケアサービスをしている施設では、みんなで散歩に出かける「お出かけレク」をやっています。みんなで歩くだけなのですが、施設の入居者たちには大変に好評だそうです。これもひとつのグループ・ウォーキングでしょう。

自分一人で散歩するのもいいですが、家族や友人と一緒に散歩に出かけてみてください。外の空気をたくさん吸いながらウォーキングをしていると、心に溜まっていたストレスをきれいに発散することができますよ。