木々の緑、水辺の色は“癒しの色”

逆に、神経がピリピリしていて、筋肉がこわばっているように感じるのなら、青や水色など、寒色系の色を見つめると、リラックス作用を得ることができます。

自然の多いところを散歩していると、心が落ち着きます。それはなぜかというと、木々の緑ですとか、水辺の色などが“癒しの色”だからです。そういう風景を見ているから、心が落ち着いてくるのですね。

ストレスが溜まっているときには、リラックスしたほうがいいわけですから、自分の周囲を見渡して、水色のものを見つけてください。探してみると、意外にたくさん見つかると思います。それをしばらく見つめていると、心も身体もくつろいだ感じがしてくるでしょう。

自分が身につける洋服もそうですね。

モチベーションを上げたいときは、赤や黄色のものを身につけるようにするといいですし、気を休めたいのであればブルーやグリーンのシャツを選ぶとよいでしょう。

残業がつづいて精神的に疲労しているときでも、ブルーのシャツを着ていれば、そのぶんだけ心が休まります。

単なる気休め程度のことかもしれませんが、それでも少しはストレスが減らせるでしょうから、ぜひ試してみてください。

掃除が面倒なときはシトラスの香りを嗅ごう

掃除が好きだという人は、あまりいません。単純に面倒くさいからです。

「どうせすぐにまた汚れてしまうのだから、掃除なんて意味がない」と思う人も少なくないのではないでしょうか。

だれにとっても掃除はできれば避けたいことかもしれませんが、そんな掃除を嫌がらずにやる方法があります。

まずシトラスの香りを嗅いでみるのです。

不思議なもので、シトラスの香りを嗅ぐと、私たちは知らないうちにきれい好きになってしまうという驚きの結果が報告されているのです。

オランダのラドバウド大学のロブ・ホーランドは、2つのグループに、シトラスの香りのする部屋と、無臭の部屋にそれぞれ入ってもらいました。

そこでインチキなアンケートをしばらくやらせてから、別の部屋で、ぼろぼろと崩れやすいビスケットを試食してもらったのです。

このとき、どれくらいテーブルに散らばったビスケットのクズをきちんと拾い上げるのかを、2名の判定者がこっそりと測定してみました。

すると、食べかすを拾い上げた回数は図表1のような結果になったのです。

事前にたっぷりとシトラスの香りを嗅いだグループのほうが、食べかすを拾いやすくなることがわかりますね。

シトラスというと柑橘系のさわやかな感じの香りですが、そういう香りには、私たちをきれい好きにさせる効果があるといってよいでしょう。

なお、ホーランドの実験ではシトラスが用いられたわけですが、レモンやライムなどでも同じようにさわやかな香りは楽しめますから、シトラス以外の香りでも自分の好きな香りを使ってかまわないと思います。