アロマテラピーの持つ心を癒す効果

心がイライラしたり、不安を感じたりすることで悩んでいるのであれば、アロマを取り入れてみるのはどうでしょうか。

心理療法のひとつに「アロマテラピー」というものがあることからわかるように、アロマは、心を癒すのに役に立ちます。

アロマテラピーのイメージ
写真=iStock.com/botamochi
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イランにあるシャールッド・ユニバーシティ・オブ・メディカル・サイエンシィズのアシュラフ・ジアシは、アロマテラピーの効果について調べた16の研究を集めて、メタ分析という手法で総合的に検証しました。

その結果、アロマテラピーは、心に好ましい作用をもたらすことがはっきりとわかりました。一番たくさんの研究報告がなされていたのがラベンダーなので、もしアロマの香りを選ぶのに迷ったら、とりあえずラベンダーにしておけば間違いありません。

もちろん、他にも効果が実証された香りはたくさんあります。

ジアシがメタ分析によって確認したところでは、ローズ、セージ、ゼラニウムは3つの研究で、カモミール、ビターオレンジ、スイートオレンジ、ペパーミントは2つの論文で効果的であることが示されました。こういう香りでもいいかもしれません。

ラベンダーの香りで心拍数が正常な範囲に戻る

アロマテラピーのよいところは、アロマを買ってくれば、だれでもすぐに実践できること。自分の思考や性格を変えるのは難しいですが、アロマを買うことならだれでもできます。

ちょっぴりお金はかかるかもしれませんが、間違いなく効果がありますので、ぜひお試しください。

香りを嗅ぐと、私たちの身体はすぐに反応します。

ウェスタン・オレゴン大学のクリスティーナ・バーネットは、73名の大学生に、とても難しいクロスワードパズルを時間制限を設けて解かせることで、緊張と不安を煽り、実験的にストレス反応を起こさせました。

それから、ラベンダーか、あるいは水(無臭)の臭いを嗅がせて心拍数を測定してみたのですが、ラベンダーの香りを嗅がせると、あっという間に心拍数が正常な範囲に戻ることが確認できました。

アロマには、即効性があるといってよいでしょう。

アロマ用のオイルを、加湿器に1、2滴たらしておくと、部屋にほんのりとかぐわしい香りが漂い、心地よい癒しの効果を得ることができます。

「香りが生理的に苦手」という人は、香りが強烈すぎるのでしょう。香りは、ほんの少し香るくらいでいいのです。

また、香りが苦手といっても、アロマには、驚くほどたくさんの香りがありますので、探せばきっと好みの香りも見つかりますよ。