万人に共通する正解はない

伯母からもらった参考書にもトレーニングペーパーにも、何か特別な成績アップの秘訣ひけつのようなものが書かれていたわけではありませんでした。基本的な予習と復習のやり方といった、ごく普通の勉強法について書かれていただけだったと記憶しています。

では何が、私の成績を短期間で学年トップまで押し上げてくれたのか?

それは、自分に合う勉強法を見つけることができたことが、一番の要因だったのだと思います。「頑張っているのに成績が上がらない……」「そもそも勉強が面白いって思えない……」そんなふうに感じている人がいるなら、それは自分に合わない勉強のやり方をしているからかもしれません。

まず理解しておいてほしいのは、勉強法は人それぞれであって、万人に共通する正解はないということです。私の経験からは、「この勉強法がおすすめ」や、逆に「この勉強法では意味がない」などというものは、ほとんどないといっても過言ではありません。

自分に合う勉強法を探す秘訣は、まわりの意見に流されず、あくまで「自分に合う勉強法を見つけよう」という気持ちを持つことだと思います。

「勉強が苦手」「勉強が嫌い」という人は、おそらく親や先生などまわりから言われて勉強しているのではないでしょうか。そのような受け身の姿勢ではなく、自分に合う勉強法を探り、工夫しながら見つけるのが理想。試行錯誤を重ねてこそ、自分に合う勉強法が見えてくるものです。

困ったときの伯母頼み

そのためには、まずはいろいろと試してみることが大切です。私の場合は、先生が板書した文字を見ながら理解するより、自分のペースで知識を得ていくタイプなのだと気づきました。そう、「プロジェクト型の勉強法」です。

この勉強法が自分に合うと気づいてからは、面白いほど成績が伸びていきました。自分に合う方法で勉強すると学ぶことが楽しくなっていき、難なく継続できるようになって、成績が上がっていったのです。

もう1つ、伝えておきたいことがあります。伯母が、またしても参考書を買ってくれたのです。まさに、「困ったときの神頼み」ならぬ、「困ったときの伯母頼み」といったところでしょうか。

その参考書は「ノートの取り方」についての本でした。本のタイトルはもう忘れてしまったのですが、勉強時のノートの取り方について詳しく解説していました。伯母はきっと、私のノートの取り方を見て、「あらあら、こんなぐちゃぐちゃにノートを取って……。これはダメだ!」とでも思ったのでしょう。