クセを直すではなく新しい習慣を身につける

1度焦ると負のループが始まります。焦って→鼻が気になって→焦って……を繰り返すうちに、どんどん集中力がなくなり、うまく話せなくなります。

もしかしたら、今まで鼻をすすって恥をかいてきたことや、直せないことへの劣等感、うまく話せない自覚などが重なって、人前で話すことが苦手になっていくかもしれません。

クセに気づいた以上、直したいと思う気持ちはわかります。

しかし、クセが出ないよう一生懸命気をつけても、緊張した状態では、ふとした瞬間に出てしまうものなのです。

では、どうすればいいのでしょうか?

オススメは、新しい習慣を身につけることです。

例えば、私には、緊張すると髪を触りながら話すクセがありました。

触らないように努力しても、どうしてもつい本番中に触ってしまうことが多く、気づいた瞬間から負のループが始まります。「また触っちゃった!」と気になって、他のことまでミスをするようになりました。

そこで、別の方法を取り入れることにしたのです。

両手に、何かしらの物を持つことにしました。右手にマイク、左手にパワーポイントを操作するためのリモコンを持つことにしたのです。両手がふさがっているので、髪は触れません。

こうして、新しい習慣を身につけた結果、髪を触るクセをなくすことができました。自分のクセがわからない人は、自分のことを録画・録音してみたり、信頼している人に聞いてみるといいでしょう。

自分のクセを知ることは、話し方を上達させるための大きなポイントとなります。

あなたには、どんなクセがありますか?

クセとはまったく異なる方法の、新しい習慣を考えてみましょう!

家で一人でも面白いと感じたら声を出して笑う

家でテレビやYouTubeなどを見ていて面白いシーンが流れたとき、あなたはどんな風に笑っていますか?

……え? 笑っていない⁉

それは危険です!

今日からは面白いと感じたら笑ってください!

口角を上げてニヤリとするのではありません。

声を出して「あはははは!」と笑うのです。「一人暮らしだから、1人で声を出して笑うなんておかしいでしょ」とかおっしゃらずに!

自宅でテレビを見て笑う人
写真=iStock.com/byryo
※写真はイメージです

面白いと感じたら、ぜひ声を出して笑う習慣をつけてほしいのです。

中小企業にお勤めの若手社員Aさんから、このような相談を受けたことがあります。

「人と笑顔で話せるようになりたいんです。どうすればなれますか?」

Aさんと同じように、笑顔で話せるようになりたいと感じている人はとても多いようです。

私が運営しているYouTubeチャンネルでも「楽しそうに見える笑顔の作り方」というタイトルの動画がいちばん再生されています。

ウソっぽい表情ではなく、楽しそうな笑顔で話せるようになるためには、2つのポイントがあります。

1つ目は、楽しいと感じる心があること、

2つ目は、声を出しながら笑えることです。

社会で生きていると、なかなか自分の思い通りにはいきません。頻繁にストレスを感じたり、「腹が立つ」「嫌だなぁ……」と思うことも当然あるでしょう。

そして、毎日不満を感じてばかりいると、いつしか心は、楽しさを感じられなくなってしまうのです。「最近ぜんぜん笑ってないです」と言う人も、実際とても多いです。

だからまずは、「楽しい」と感じる心を育てる習慣をつけてください。