売却時、2~6割強も値上がりする可能性

さて結論です。このタワマンという金融商品は運用利回りで税引き前3.5~4%、ここ十数年続いてきた超低金利時代を思えば十分に高い利回りと言えます。また数年間運用したあと、出口価格が2~6割強も値上がりが期待できるのは、投資商品としてはすばらしい性能ということになります。

ミニチュアの家
写真=iStock.com/Andrii Yalanskyi
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また、この商品を運用せずに自らが住む住宅として資金調達をしていれば、賃貸収益は得られないものの、購入にあたって住宅ローン金利が適用されますので、金利はさらに低く、税制上の恩典も合わせてアツモリ状態になっているはずです。

この商品のメリットはこれだけではありません。相続に悩むあなたにもぴったりです。シミュレーションをしてみましょう。

相続税フリーで1億円の物件を買う方法

このタワマンの23坪(76m2)の住戸を1億円で買うとします。1億円の内訳は仮に土地7000万円、建物(区分所有部分)3000万円としましょう。土地は路線価評価ですが、このエリアは1m2あたり56万円でした。この住戸の土地所有面積は20m2(約6坪)ほどですから、土地評価は1100万円。建物は固定資産税評価額で約2000万円。土地と建物を合わせた評価額は3100万円となります。

現金で1億円を持っていたら、額面通りに課税されますが、相続税の計算の基となる評価額が7割も圧縮されたわけです(マンション相続評価改正前)。

もっと圧縮したければ、この商品を買う際に借入金で調達します。借入金額は評価額から差し引くことができるので、1億円全部を借入金にすれば、何と相続評価額はマイナス、つまり税金フリーということになります。相続後は、タワマンは右肩上がりで価格が上がっていますから、相続人である妻や子供たちが売却すると多額の売却益を享受できます。

ですから、住み心地がイマイチだとか、住戸から見る夜景などすぐに飽きるなどということは二の次であり、災害が起こったところで建物自体が大丈夫なら、この金融商品はお買い得ということになります。買えるものならぜひ買っておこう。これが、タワマン購入の結論です。