ウイルス感染や情報流失のリスクもある

前述したとおり、会社で私用のスマホを充電する行為は、窃盗罪になり得る行為です。

たかがスマホの充電と黙認していると、私用のタブレットやゲーム機などまったく仕事とは関係ない電子機器を充電する従業員も出てくるかもしれません。

また、パソコンのUSBポートを利用して充電する行為は、電気窃盗以上にウイルス感染や情報流出などセキュリティー面での重大な損害を会社に与える可能性があります。

ノートパソコンと、スマホなど複数のガジェットを接続している状態
写真=iStock.com/Hailshadow
※写真はイメージです

何気なくスマホを充電している人は、こういったリスクを認識していない可能性もあります。

ただ、今やスマホは従業員の生活に必要不可欠なものです。安易にスマホの充電を全面的に禁止してしまうと、私用スマホを仕事で利用していた場合は取引先と連絡が取れなくなったり、緊急の連絡が受け取れなくなったり、災害時の充電切れなどの問題が発生するかもしれません。

会社の実態に合ったルール作りを

それよりも皆が守れるルールを作って徹底する方が現実的でしょう。

・専用の充電場所を設ける
・コンセントからの充電は許可する
・充電できる電子機器を制限する
・USBポートを利用しての充電は禁止する

こういったルールを作り、私用充電を限定的に許可するのも一案です。

私用充電の業務上の必要性を改めて検討し「全面禁止」「限定的許可」など、会社の実態に合わせたルールを作りましょう。

その上で、作ったルールを従業員に周知徹底するのが大事なポイントです。

あわせて、ルールを守らない従業員には注意指導を行い、そのルールを徹底運用する責任が会社にはあります。ルールを守らない従業員への処分はそのような管理をしっかり行った上で行うようにしましょう。