市長とは「方針」「予算」「人事」を理解し実行する人

では具体的に、市長の仕事とはどんなものなのでしょうか。私が思う市長とは、以下の3つの権限をきちんと理解し、実行していく人のことです。

(1)「方針」を決める
(2)「予算」を決める
(3)「人事」を行う

(1)の「方針」とは、どんな街を、どんな社会を作りたいかをイメージして、その方針を定めること。子どもにやさしい街を作るのか、歴史あるお城や街並みの魅力を伝えて、観光地として栄える街を目指すのか。政治家として、市民が幸せに暮らしていくためには、どんな街づくりが求められているのかを考えます。

書類にサインするイメージ
写真=iStock.com/Nes
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求められる人材を見極めて正しい場所に配置する

方針が決まれば、それを実現するため(2)の「予算(お金の使い道)」について考えます。子どものいる家族に補助金を出すにも、観光地のお城を修復するにも、すべてお金が必要です。そのお金は、市民の税金によってまかなわれていることをしっかりと意識して、予算の配分を決めていきます。

それぞれの予算が決まれば、それを正しく使ってくれる(3)の「人事(人の配置)」をします。例えば、街に児童相談所を作りたいと思ったら、子どもに詳しい専門家がいれば心強いでしょう。観光地として街を盛り上げたいなら、訪日外国人にも対応できる人が必要になります。求められる人材を見極めて、正しい場所に配置するのも、市長の仕事です。

市長がすべきことはこの3つ。とてもシンプルです。