2012年11月14日(水)

なぜ日立は景気低迷下で20年来の黒字を出せたのか

小宮一慶「ニュースな会社・経営」のナゾ

PRESIDENT 2011年5月16日号

小宮コンサルタンツ代表取締役 小宮一慶 構成=小川 剛 撮影=市来朋久
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「定点観測をしていれば景気が読める」「10分あれば報道の真相がわかる」震災の復興シナリオから企業の大型合併、不況下で高い利益率を誇る業界の仕組みまで、世の中の事象を正しく見るコツを数字のプロが解説する。

10年9月期の中間連結決算で最終損益が1580億円の黒字になった日立製作所。2月に発表した10年4~12月期の連結決算では最終損益が2201億円の黒字で、これは91年3月期(2301億円)以来の高水準ということです。

09年3月期の決算で7873億円の最終赤字ですから、2年で1兆円近くという見事なV字回復を果たしたことになります。

この10年の損益計算書を振り返ってみると、10年前の01年3月期の売上高が約8兆4000億円。07年に10兆円、08年に11兆円を突破したものの、リーマンショックが直撃した09年以降は売り上げを下げていました。

そうした状況下で、日立が活路を見出したのは海外です。セグメント情報で「国内・海外の売上高」を見てみると、10年度第3四半期までの連結の国内売上高は約3兆7800億円。前年同期比で104%です。一方、海外売上高は約2兆9800億円と金額では国内売上高に及ばないものの、前年同期比は113%。

なかでもアジアでの売り上げの伸びは目覚ましく、前年同期比で127%。売り上げ全体に占める構成比でもアジアは23%で、国内の56%に次いで海外で最も高い。急速な業績回復を支えたのがアジアを中心とした新興国市場でのビジネスだったことが見て取れます。

いまは大企業、特にモノづくりをしているメーカーほど国内市場での閉塞感が強い。日立は事業売却や工場再編、人員削減などのリストラで収益体質を強化しながら、一方では経営資源を成長分野に集中投下する「集中と選択」によって、事業ポートフォリオの最適化を進めています。

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