少額つみたてで時間がかかる分、長期複利運用ができる

たとえば、月3万円つみたての場合、年間のつみたて額は36万円ですから、1800万円の新NISA上限額を埋め切るには50年かかります。

しかし、つみたて期間中も年率5%の運用利回りで、つみたて中の投資元本がじわじわと増えていく前提で試算すると、50年後に新NISAの投資枠1800万円を埋め尽くしたときの資産評価額は、なんと7556万円に達しているのです。

会社に就職して、お金に少し余裕ができた25歳から毎月3万円つみたてを始めた場合、1800万円の投資枠をすべて満たすのは50年後の74歳になります。

すでに老後生活に入った74歳までつみたてを続けられなくても、つみたて開始36年後の60歳時点で投資元本1296万円は3460万円まで2.6倍以上に増えています。少額つみたてで枠を埋め切るのに時間がかかる分、逆にそれまでの投資元本を長期複利運用できるので、枠をすべて埋め切ったときにはかなり大きな評価額の資産を築くことができるというわけです。

30歳から毎月5万でも60歳以降で毎月20万円前後使える

すでに40代、50代で、余裕資産が1800万円の倍くらいある人は、毎年360万円、最短5年で新NISAの生涯非課税枠を埋め切ってください。

右肩上がりの上昇が続く投資対象で運用する場合、最初に一括投資するほうがつみたて投資するよりも得られるリターンは大きくなります。

しかし、いくら一括投資のほうが効率的といっても、20代、30代で新NISAの生涯投資枠1800万円を最短5年で用意できる人はほとんどいないのが現状でしょう。

30歳から少し頑張って毎月10万円、年間120万円で、新NISA口座のつみたて投資をスタート。15年後の44歳で、投資元本が新NISAの生涯投資枠1800万円に到達というのがモデルケースといえるかもしれません。

よりハードルを下げるなら、毎月5万円、年間60万円で、30年後の59歳で1800万円に到達というケースになるでしょう。

30歳から44歳まで毎月10万円つみたての場合、59歳時点の運用評価額は5407万円。60歳から80歳でほぼゼロになる取り崩しプランで試算してみると毎月35万1000円。これだけあれば一部を銀行預金にプールできるので、死ぬまで優雅に暮らせるでしょう。

30歳から毎月5万円つみたての場合、59歳時点の運用評価額は3998万円と少ないですが、それでも60歳以降、20万円前後を取り崩せるので、年金と合わせればきっと怖いものなしでしょう。