得た利益に税金がかからないから従来の株式投資よりもお得

そもそも「NISA」とは「Nippon Individual Savings Account」の略で、直訳すると「日本の個人貯蓄口座」。

山口貴大『【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』(KADOKAWA)
山口貴大『【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』(KADOKAWA)

「貯蓄口座」というと銀行預金のようなイメージですが、NISAで投資できるのは、株式や投資信託など。NISA口座で購入されている投資信託は、日本や米国、世界の株式に投資する投資信託が大半です。

「株式投資は損するので怖い」という人は多いですが、NISAも株式投資も、自らの資産を主に株式で運用している点に違いはありません。NISAも銀行預金のような元本保証はなく、損をして元本が目減りするリスクは当然あります。

ですが、NSIAは従来の株式投資と比べて、長期的に利益が得やすいように制度設計されています。

では、どうして利益を得やすい仕組みになっているのでしょうか。

その大きな理由は、NISA口座で投資した場合、投資で得られた利益に税金がかからないから。

株式や投資信託に投資をした場合、購入した株や投資信託が値上がりすると利益が得られます。通常、購入した金融商品を売却して得た値上がり益(=キャピタルゲイン)や、株主配当金といった定期収入(=インカムゲイン)には、約20%の税金がかかります。

たとえば、投資で100万円の利益が出た場合、「100万円×0.20315=20万3150円」の税金が徴収され、手元に残るのは79万6850円になります。

「この税金をタダにしてあげましょう」というのがNISA口座の大きな特徴です。

非課税の特典は、投資の利益が1万円の場合は2000円程度と微々たるものです。しかし、利益が100万円になれば約20万円、1000万円まで膨らめば約200万円も手元に残るお金が増えるわけですから、そのお得度は絶大です。

できるだけ早く上限いっぱいまで投資するのがコツ

新NISAで生涯にわたって非課税投資できる金額の上限は1800万円。元手1800万円までは、投資でいくら利益が出ても税金が一切かかりません。1年間で投資できる上限額も360万円と旧NISAから大幅拡充されました。

つまり、できるだけ早く上限いっぱいまで投資して、できるだけ長く複利運用を続ければ、簡単に総額1億円以上のお金を生み出せる! それが新NISAなのです。

たとえば、毎月30万円(年間360万円)を投資すると、最短5年で1800万円の上限に到達します。30歳から始めれば34歳で新NISAの非課税投資枠すべてを使い切ることができます。

年間の運用利回りが5%だった場合、5年間のつみたて期間中も毎年5%ずつ利益が出ます。その利益も再投資に回すことで、5年後の運用資産は2011万円に増えています。