膨大な「購買データ」を用いた販促

ネットの利用動向データ事業のニールセンデジタル(東京・港)が提供する、モバイル端末でのサービス利用データ「ニールセン・モバイル・ネットビュー」によれば、国内のAmazonの月間利用者数は約6388万人(22年12月時点)。その規模は国内では「Twitter(現X)」や「Instagram」といった主要なSNSよりも多い。それだけの利用者を抱えているため、メディアとしての力は先行するデジタル広告プラットフォームとそん色がない。だからこそ十分な広告在庫を確保できる。

そして、小売りが手掛けるサービスとして、もう1つの重要なポイントが「購買データ」だ。「広告配信の仕組み」自体は技術の汎用性が高く、プラットフォーム間の競争力にはなりにくい。競争優位性は広告配信に使える独自性の強い顧客データと、広告主の成果に結びつきやすいように広告配信を最適化するアルゴリズムによって決まる。「Amazon広告を利用することで、ブランド(広告主)は購入履歴や閲覧行動など、数十億の顧客インサイトデータを用いて販売を促進できる」(モス氏)のが強みだ。

コンピュータを操作する日本人男性
写真=iStock.com/mapo
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広告配信の自動最適化アルゴリズム

そうした独自性の強いデータを基に、配信のアルゴリズムにも磨きをかける。Amazon広告には広告予算を設定するだけで、AIが商品ページの情報に基づき、売り上げ増加が期待できそうな検索キーワードに広告を入稿し、最適化する「オートターゲティング」という仕組みがある。膨大な購買データと購入に至るまでの利用者動向を蓄積しているAmazonだからこそ、購買に結びつきやすい広告配信の自動最適化のアルゴリズムを組み立てられる。

IoT製品を中心としたスマート家電ブランド「+Style(プラススタイル)」を展開し、Amazonで販売するBBソフトサービス(東京・港)プラススタイル事業本部販売推進部の川茂昌平氏は「Amazon広告のオートターゲティングは特に活用の序盤で重要になる」と言う。ただ、オートターゲティングも万能ではないため、より効果を出すためには人間が介在することも重要だ。