R80なら論理的な文章が簡単に書ける

では、R80で書くと実際どういう文章になるのか。2つの実例を挙げてみましょう。

【図表1】R80で書いた文章実例

大学入試の記述問題や小論文で必要とされるのは、文学的な文章ではなく、論理的な文章です。

R80は接続詞を使うことで、読む人に対して補助的に、もっと言うなら強制的に、展開を示していきます。

そのことで論理的な文章にしていくわけです。

R80をやってみて最初に実感するのは、文章を書くハードルがぐんと下がることでしょう。

続ければ、スタート時点の学力に関係なく、自分の考えを論理的かつ簡潔に書くことができるようになります。

ある程度慣れれば、誰でも80字が2分以内で書けるようになります。

400文字の小論文は「R80×5回」

さて、現在の大学入試において、小論文が大変重要視されていることは先述しました。

小論文となると、80字よりうんと長文を書けるようにならないといけません。

そこで提唱したいのが、「R80の因数分解法」です。

難しそうな名称ですが、すごく簡単です。

小論文の字数を因数分解すれば、R80×○回というふうに考えられる、という話なんです。

たとえば作文の課題を出されたとします。

原稿用紙を渡されて「はい、400字で自由に書いてね」と言われたら、文章の苦手な子の頭にはまず、指定された400という字数が浮かぶでしょう。

そして、それだけの字数を埋める方法が思いつかず、途方に暮れてしまいます。

そういう子たちが「自分は文章が書けない」と思い込んでいる気がします。

ところが、R80という「型」を知っている子だと、反応が違います。

「R80を5回」ということが浮かびます。

そこから、まずは結論的なR80を書けるかな、といった考えを展開していくことができます。

ルールのないスポーツがないように、文章にも一定のルールがあったほうが、どうプレーすべきかが見えてくるのです。