2024年11月にアメリカ大統領選が行われる。現職バイデン大統領の支持率が低迷する一方、トランプ元大統領が返り咲きを狙っているという見方もある。在米ジャーナリストの岩田太郎さんは「最も重要な民主党支持者の間でも、バイデン大統領の支持率は急降下している」という――。

2024年大統領選で「トランプ返り咲き」の可能性

ドナルド・トランプ前大統領(77)について、米メディアが一斉に「2024年11月の大統領選挙で返り咲きを果たす可能性が高まった」と伝えている。

ここ数カ月の各種世論調査では一様に、選挙の勝敗を決する接戦州においてもトランプ氏が現職のジョー・バイデン大統領(81)に数ポイントの差をつけてリードしていることが伝えられる。

しかし、これはとても不思議な現象だ。これまでトランプ氏は2020年の大統領選におけるバイデン氏の勝利を覆そうとした「反乱」をはじめ、「機密文書持ち出し」「不倫口止め料」などの容疑により、4回の刑事起訴で合計91件の罪に問われており、山のような公判の泥沼にはまっている。

「機密文書持ち出し」「不倫口止め料」などの容疑がかけられている(※写真はイメージです)
写真=iStock.com/Katerina Sisperova
「機密文書持ち出し」「不倫口止め料」などの容疑がかけられている(※写真はイメージです)

大統領の職にあった2017年から2021年の期間の仕事の評価も、歴代大統領と比べて特に高いわけでもないトランプ氏だが、なぜバイデン氏よりも支持率が高いのだろうか。

多くの米国民が「トランプはひどい大統領」だと考えている

米西部コロラド州の最高裁判所は2023年12月19日、ドナルド・トランプ前大統領について、来年の大統領選の同州予備選に立候補することはできないとの判断を示した

米憲法修正第14条は「憲法の擁護を宣誓して公職に就いた者について、米国に対する反乱や謀反に関わった場合は、再び公職に就くことを禁ずる」と定めている。

州最高裁は、トランプ氏が2021年1月の連邦議会襲撃に加わったと認定し、大統領選の出馬資格がないと判断した。

なお、トランプ氏本人は「反乱」への加担を否定している。

世論調査大手のユーガブがこの判決の直後に実施した調査 では、回答者の合計54%がこの判決を「支持する」と答えたのに対し、「支持しない」としたのは35%に過ぎなかった。

多くの米国民が、「トランプはひどい大統領であった」「不適格だ」と考えていることを示唆する結果である。

9月初旬に米ニュースサイトのビジネスインサイダーが行った世論調査 でも、回答者の58%が、トランプ氏は「公職に就くには不適格」と答えている。