日本の学校は、海外と比べてどんな特徴があるのか。イギリス在住で著述家の谷本真由美さんは「日本の子どもは社会性や協調性が優れているから、小学生でも動物を飼育したり、給食当番や掃除をしたりできる。イギリスの子どもとは大違いだ」という――。(第2回/全3回)

※本稿は、谷本真由美『世界のニュースを日本人は何も知らない5』(ワニブックス【PLUS】新書)の一部を再編集したものです。

「日本の学校に行くこと」が夢だった

この夏、我が家の息子「みにろま君」は私の実家となる地元の公立小学校に体験入学させていただきました。なお、私が普段「X」などでは「めいろま」と名乗っているので、ここでは息子のことを「みにろま君」と呼びます。

みにろま君は3年以上も日本の学校における生活の動画やアニメを毎日毎日見続けてきたのです。彼は日本の学校に行くことが夢でした。

アニメや動画で学校独自のワード、たとえば「センパイ」「キリツ、レイ」などを独自に学び、靴を脱ぐ作法、授業のシステム、運動会、文化祭などを熱心に研究してきました。彼は小学校1年生からヨーロッパの配信サイトで放映されている日本のアニメを勝手に探しては観てきました。

挙手する子どもたちのイメージ
写真=iStock.com/recep-bg
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「侵略!イカ娘」「とらドラ!」「干物妹!うまるちゃん」などのラノベ系が多いので、日本の学校に大いなるあこがれを抱いてきたのです。すべてがイギリスやヨーロッパ大陸と違い、子どもたちの楽しそうな様子、ほんわかとした雰囲気、男女のキャラの気を遣った関係など、英語圏とはまったく違うユーモアに大変な興味を抱いてきました。

子どもの好き嫌いがひどいイギリスの先生

そして実際に日本へ出かけてみたら予想より何倍もすばらしかったそうなのです。

まず、先生方がイギリスとまったく違うようです。イギリスの先生らはごく一部を除きビジネスライクで、お金のためにやっている人もおり、子どもの好き嫌いがひどく、親身になる感じではない人も少なくないようです。

自分の担当以外の仕事は一切しないし、時間になればさっと帰ってしまいます。嫌いな子どもには話しかけないし、怒るときは小学生に対しても軍隊口調で怒鳴りつけます。