「アプリで修正した顔」は自分しかだませない

さらに、このギャップを生み出す原因になるものが、もうひとつ――みなさんよくお使いのスマートフォンのカメラとアプリです。

いまや写真はアプリでの加工が当たり前。ワンタッチで目は大きく、鼻筋はすっきりと高く、輪郭は細く、肌は白くなめらかに……自分の理想どおりの顔に仕上げてくれます。SNSへの投稿前に、自撮り画像の修正加工が習慣になっている人も多いのでは?

すると、いつの間にかこの「アプリで仕上げた顔」が「真の自分の姿」だと脳が勘違いしてしまうのですね。言い換えれば「本当の自分を見ることを脳が拒否している」状態です。

でも、気づいてください。あなたと実際に顔を合わせ、話す人が見ている顔こそが“真実の姿”だということに。

アプリマジックで自分はだませたとしても、あなたと関わる人たちが目にするあなたが魅力的でなければ、人間関係はいいほうに向かっていかないのではないでしょうか。

「本当の自分」がわかる鏡の見方

さあ、あらためて鏡を1枚、用意してください。

サニタリーの鏡を、身支度ついでにのぞくだけでは足りません。家の中の、ふだん自分がよく通る場所に鏡を置いてみましょう。

統一されたカラーの室内にある鏡
写真=iStock.com/ArchiViz
※写真はイメージです

そして、通りがかりにふっと目に入った顔――それが「普通にしているときのあなたの顔」です。

少しでも「なんだか怖い」「けわしい顔つきだな」とネガティブに感じたなら、注意が必要です。あなたと相対する人も「怖い」「けわしい」と感じているかもしれないのですから。

あなたの脳内イメージでは感じよく微笑んでいるつもりでも、相手からは「険のある作り笑顔だな」と受け取られている可能性があります。

セルフイメージと、他人から見た現実の姿とのギャップ――まずはそこをしっかり見つめないと、改善すべきポイントがわからないままになってしまいます。