宛名の順番は配慮したほうがいいのか

メールのマナーとして一つ、大切なマナーを挙げておくと、相手への敬意を表すために、CCの宛名の順番には配慮するということ。もちろん、これも「そうしなければマナー違反」だということはないし、決められたルールでもありません。そして、この名前の順番を気にしない人もいるでしょう。しかし、日本の会社の幹部には席次にこだわる人が多いのが実情です。これを鑑みたときに、全員が必ず読むような大事なメールは、会議室や宴席と同じように、上位の人から順に名前が並ぶよう配慮することは、決して悪いことではないと思います。

ふだんの仕事でそういう細かいことに配慮ができる人は、ほかのことにも配慮できる人だと評価されます。その積み重ねで、しだいに信頼を得ていく――。一人ひとりに敬意を示したいのであれば、CCやBCCを云々という前に、こういう点を意識するほうが配慮という面においては有効かと思います。とはいえ、時代のなかで、現代はあまりこのようなことを気にしない風潮も高まっています。宛名の順番も気にしないのがマナーとも言えるのかもしれません。

1~5の数字が描かれた木製ブロックを積み上げている
写真=iStock.com/Parradee Kietsirikul
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3.「メールに句読点は上から目線で失礼」?

以前、FNNプライムオンライン編集部から取材依頼がありました。内容は「メールに句読点を打つのは失礼なのか?」という質問でした。

結論から言うと、通常のメールのやり取りで句読点を使うのは、おかしいことではありません。どうやら、メールで句読点を打つことが失礼だという記事が出ている、とのこと。では、なぜこんなマナーが流布してしまったのでしょうか。調べてみたところ、火元は確認できず、おそらくはだれかがネットにそういう書きこみをしたのだと思われます。問題は、発信者がその理由について、わかりやすい説明をしていなかったからではないでしょうか。だから、ここまでの物議になったということでしょう。

では、ここから、そのときの取材に答えた私の話の内容を紹介しておきましょう。

ポイントは、昔は、句読点はなかった、ということ。

日本で句読点が使われはじめたのは、明治20~30年代だといわれています。句読点のルールが初めて制定されたのは、明治39年に文部省から示された「句読法案(句読点法案)」。なぜ句読点を打つようになったかというと簡単な話で、句読点があるほうが、相手が読みやすいからです。

つまり相手に対する配慮として生まれたのです。