出版社は事務所との関係をどうするつもりか

文春(同)の誌面にも、「メリー氏が元気なときは、ジュリー氏とマガジンハウスなど仲の良い出版社の幹部数人とで、ホノルルのフレンチで食事をする会もあった。一時はゴルフも習っていたので、こっちでもやっていたんじゃないかな」(親子を知る人物)

13歳だった大島氏がジャニー喜多川から性加害を受けたのは、集英社の雑誌『Myojo』の撮影のために行ったハワイだった。

そのほかにも、ジャニーズのアイドルたちの写真集やカレンダーでもうけた出版社は数多ある。

思い出すのはジャニー喜多川が亡くなった直後の週刊朝日である。表紙に「追悼ジャニーさん ありがとう! YOU、やっちゃいなよ」と大きく打った。休刊しても汚名は残る。

この原稿を書いている時点で、ジャニー喜多川の犯罪を見逃してきたことへの謝罪や、ジャニーズ事務所との関係を今後どうするのかという「声明」を出した出版社はないようだ。それとも出版社はメディアではないと思っているのだろうか。

ジャニー喜多川の犯罪は到底許せるものではないが、ジャニーズ事務所を解体させればすべてが解決するというわけではない。

このままメディア側の責任を曖昧なままにすれば、少年少女たちを食い物にする第2のジャニー喜多川や、ジャニーズ事務所は必ず出てくる。

「解体すればすべて解決」というのは妄想だ

文春が連続追及し、ジャニー喜多川側が訴えた裁判で、2004年にジャニー喜多川の性加害は真実と認められるとの高裁判決が確定している。しかし、その後も平然とジャニー喜多川はジュニアたちを弄んでいたのだ。

文春だけこの問題を追及し続けたが、他のメディアは沈黙したままだった。外国メディアであるBBCがドキュメンタリーを放送してから、ようやく問題の重大さに気がつき慌てだした。

報道の自由度が低いどころの話ではない。お粗末な国のお粗末なメディアの実態が世界中に知れ渡ってしまったのである。

メディアの責任は重大で、ここで一度立ち止まらないと崩壊に歯止めがかからない。

そこで私はこう考える。新聞、テレビ、ラジオ、出版が応分に負担して、今回の事件のメディア側の責任を徹底検証する第三者委員会を作ったらどうだろう。

半年以上かけて、徹底的な聞き取り調査を行い、問題点を摘出し、その結果を公表するのだ。

ジャニーズ事務所が消えてなくなれば、すべて解決するかのような“妄想”は捨てるべきだ。私はそう考えている。

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