異次元緩和の出口をいまだに描けない

4月28日に開かれた日銀金融政策決定会合後の記者会見で、植田総裁はNHK記者の質問に対し、重要な発言をされた。ほとんどのマスコミが取り上げなかったが、極めて重要な発言だと私は思っている。

「出口といいますか、正常化を始めるプロセスが、どんどんどんどん後ろずれしていくという可能性も、またゼロではないわけで、そうすると、それは2年後、3年後、4年後ということになっちゃう可能性も、残念ですがあり得る」

これは総裁自身が、異次元緩和からの出口で、極めて危険な事態が起こりうることを認識しているからこその発言だと思っている。

日本経済の復活は日本円が紙くずになった後にやって来る

これほどまでにインフレが無視できなくなりつつあるにもかかわらず、日銀は史上最大のド級緩和を継続・それどころか加速させている。これこそが、緩和に出口が全くない証左であり、日本経済がすでに詰んでいる証左なのだ。

「緩和解除をする」の市場の期待/予想は金融政策会合のたびに裏切られ、超低金利は継続(シミみたいな修正は除く)するだろう。ドル/円は上昇を続け、インフレはさらに進み、資産インフレも加速していく。

どこかの段階で世間からの「なぜ緩和を放棄しないのだ?」との強烈批判で日銀は緩和政策をギブアップせざるを得なくなるだろう。

その日こそが日銀と日本円の終わりの日だ。通貨の信用が失われ、日本円が紙くずとなる。政治が解決できなかった「バラマキ」や「財政ファイナンス」を市場自身が「市場の暴力」という形で修正を開始する日ともいえよう。

その日に備え、ドルという保険を買っておくことがご自身と家族を守る手段だと私が繰り返し述べている理由だ。偉大なる日本が大復興するのは、残念ながら、その試練後の話なのだ。

一面に敷かれた一万円札
写真=iStock.com/kyonntra
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