ストレス状況の高い職場にいると、脳卒中のリスクが2.73倍に

怒り以外でも、病気のリスクを高める感情があります。

たとえば敵意性。怒りに近い感情ではありますが、これは相手に対し敵意を持つという態度であり、相手を攻撃的にライバル視するイメージです。この感情が強い人は、循環器疾患、特に心筋梗塞になりやすい傾向があります。

加えて敵意性の強い人は、体内の抗酸化物質が減りやすいこともわかってきました。抗酸化物質は、活性酸素の働きを抑制したり活性酸素を取り除く役割を果たします。それが減ってしまうと病気にかかりやすく、老化が進みやすくなります。

不安も、健康にはよくありません。不安を感じた人は、それを解消させる作業が必要になります。人間というのは本能的に、食べると落ち着きます。お腹がいっぱいになると、不安な気持ちも解消されて落ち着いてくるのです。これが過食を引き起こしてしまうこともあります。

ストレスが免疫を下げることは知られてきましたが、それ以外にも大きな問題を引き起こします。ストレス状況の高い職場にいると、脳卒中のリスクが2.73倍になるというデータが発表されているのです(図1。Tsutsumi A,et al. Arch Intern Med. 2009)。またストレス状況の高い職場では、4.1倍も自殺しやすいというデータもあります(図2。Tsutsumi A,et al. Psychother Psychosom. 2007)。

【図表】職業性ストレスと脳卒中の関係
【図表】職業性ストレスと自殺の関係

このように体に悪影響を与える負の感情を少しでも取り除きたい。そのためには「我慢」をしないことが重要なのです。