いつも同じ商品を選ぶ人は新奇探索性が弱い

ところで、社会のルールや常識を鵜呑みにしがちな人は、新奇探索性が弱い可能性があります。

人には、いつもの日常には飽き足らないで、新しいことを知りたいと思う、新しいことを知る喜びを感じる性質があり、これを新奇探索性と呼びます。この新奇探索性は遺伝的に決まっていて、生まれつき強い人、弱い人、その中間の人に分かれる傾向があります。

たとえばコンビニエンスストアで飲み物を買うとき、新しい味の商品に手を伸ばしたくなる人は新奇探索性が比較的強い人、いつも決まったウーロン茶という人は新奇探索性が比較的弱い人、といえるでしょう。また新しい電子機器や新しい機種の携帯電話が出るとすぐに飛びつくのは新奇探索性が強い人、新しい機種になかなか手が出ないのは新奇探索性が弱い人といえます。

新奇探索性が弱い人は、一度正しいと信じた社会のルールや常識を守りつづける傾向があります。自分を大切に思うより、社会のルールや常識を優先しがちです。

自分がもともともっている新奇探索性の度合いは修正することはできませんが、自分の度合いを自覚することである程度強弱を変えることは可能です。

たとえばペットボトルの飲み物を買うとき、いつも同じ味を決まったように買う傾向にあれば、「自分は新奇探索性が弱い」と自覚する。これによって「じゃあ、あえて今度ペットボトルの飲み物を買うときは新しい味に挑戦してみよう」「社会的規範や常識を鵜呑みにしがちだから、気をつけよう」などと、行動を変えていくことはできるのです。

あなたの新奇探索性の傾向はどうでしょうか。

もし弱いと感じたら、社会のルールや常識を自分より大切にしていないかをチェックしてみてください。

遅延はたった15秒…日本の鉄道は正確すぎる

いい加減に生きる――。意外だと思われるでしょうか?

いい加減の反対は「まじめ」だといえるでしょう。ここではいい加減のよさを考えていきたいと思います。

以前、インターネットで東京都内を走る山手線の運行動画を見たことがあります。その映像は、撮影者が山手線の先頭車両に乗り込み、新宿駅と渋谷駅間の、運転席から見える風景を撮影したものでした。撮影者は、新宿駅の出発時刻が異なる4本の列車で撮影。インターネットでは、4つの画面が同時に再生できるようになっていて、4本の列車の運行スピードがどれくらい違うのかが、風景の流れでわかるようになっています。

これを見て驚きました。4本の列車の映像にはほとんどスピードの違いがなく、差があっても数秒以内なのです。たとえば列車が代々木駅のホームに入るタイミングは、2本の列車がほぼ同時で、ほかの2本の列車も数秒遅れて入り込む、というぐあいなのです。

さらにこの撮影者は、数日間山手線に乗り込み、一周しているのですが、その運行時間がもっとも速いときで60分10秒、もっとも遅いときで60分25秒と、その差はたったの15秒、ということも記されていました。