かつて女性が男性に求める結婚の条件とされた「3高」は今も健在なのか。拓殖大学教授の佐藤一磨さんは「3高は、結婚相手の条件として真っ先に女性の口から出てくるものではなくなった。しかし既婚率を調べると、明らかに3高の男性のほうが高いという現実がある。3高の中には、近年さらに強化された条件もある」という――。
ビーチでウェディング
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どんな人が結婚しやすいのか

どのような人だと結婚しやすのか。

この疑問は、シンプルながらも今パートナーを探している人にとって、大変気になるものです。また、晩婚化・非婚化が進み、それらが少子化の原因の1つだと考えられている日本全体でみても、その答えは非常に興味・関心を集めるものだと言えるでしょう。

「どのような人だと結婚しやすのか」という問いに対して、バブル華やかなりし頃、「3高」という条件をそろえている男性ほどモテるし、結婚できると言われていました。この3高とは、「高学歴」「高収入」「高身長」です。頭がよく、お金があり、身長も高い。確かにモテそうですし、結婚相手としても申し分ないでしょう。

新条件「3C」「3平」とは

この3高ですが、女性が男性に求める条件として納得できるものの、バブル崩壊以降、徐々に人々の口に上らなくなり、ゆっくりと姿を消していきました。フリーライターの武藤弘樹氏によれば、3高の後に、「3C」や「3平」といった新しい条件が登場してきます(*1)。3Cとは、「comfortable(十分な給料)」「communicative(価値観が一緒)」「cooperative(協調的)」です。また、3平とは、「平均的な収入」「平均的な容姿」「平穏な性格」の3つです。3Cや3平は、バブル崩壊以降に徐々に沈みゆく日本経済の状況を反映した新しい基準だったと言えるでしょう。

さて、経済学の観点から見ると、3Cや3平といった基準より、3高のほうが説得力が高いように思えてきます。というのも、3高の要素はいずれも労働市場で高く評価されるものであり、結婚相手としても高い評価につながると考えられるためです。しかし、昨今、3高が必ずしも結婚相手の基準として真っ先に出てくるものではありません。この理論と現実のギャップは気になるところです。

そこで、今回は今でも3高の男性ほど結婚しやすいのかという点を調べてみたいと思います。