全世代がハッピーになれるかの鍵はシニアが握っている

小林武彦『なぜヒトだけが老いるのか』(講談社現代新書)
小林武彦『なぜヒトだけが老いるのか』(講談社現代新書)

この大勢の知識と経験豊富な方々にはぜひ「シニア」になっていただき、公共的に行動していただけたら、今後の日本の未来は明るくなると私は考えています、というか誰が考えてもそうでしょう。安心して子供が産めるような国にまた戻ると思います。

ここで子供の数(出生数)は象徴的に使っていますが、大切なのは、それだけの経済的、精神的余裕と将来展望、つまり簡単に言えば子供を作りたくなり、周りもサポートしたくなる空気感を作り出せるかどうかです。生まれてくる子供が幸せになれないような環境では、誰だって子供は作りたくありませんからね。

この「シニアが頑張って今の日本をなんとかする」構想は、長寿化の進化を牽引した、繁殖年齢を超えたヒトが子育てをサポートするという「おばあちゃん・おじいちゃん仮説」の延長線上にあり、全世代がハッピーになれる一つの有望な手段です。

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