MIXI(ミクシィ)が今年3月からサービス提供をはじめたmiatto(ミアット)もじわりと人気を集めています。これは最大6人までつながれるコミュニケーションアプリです。

5月には、位置情報を基にした「ステータス機能」が新たに導入されました。Zenlyのように具体的な住所情報ではなく、自宅、学校、勤務先、外出中という大まかなステータスを表示することによって、「プライバシーを守りながらもリアルタイムの状況を伝えることができる」(公式ウェブページ)といいます。

mixiのプレスリリースより。

プライバシーを守りながらステータスを共有……。僕は「なんという矛盾だ」と思ってしまいます。不特定多数に対してプライバシーは守りながらも、親しい人にはシェアしたいのが若者の心理なのでしょう。

アバター、タスク管理、SNS疲れ用の共有アプリも登場

韓国の20~30代の間で口コミで広がり、日本のZ世代にも波及したBondee(ボンディー)も「次のZenly」を狙うアプリの一つです。メタバース空間に自分のアバターを登場させ、自分が今なにをしているかをアバターで表現できます。こちらも、つながる人数を50人までに制限されており、親しい友人としかつながることはできません。

位置情報やステータス情報ではなく、「タスク管理」を共有しようというアプリまで現れました。Habitica(ハビティカ)は、自分一人でも使えるアプリですが、若者たちは「早起きする」「ダイエットする」といった目標を、親しい数人の友達と一緒に立て、お互いに励まし合うという使い方をしています。

「SNS疲れ」に対応した共有アプリも登場しています。TapNow(タップナウ)は友達が送ってきた写真を自分のスマホのホーム画面に大きく表示される写真共有アプリです。友達を検索したり、メッセージのやり取りをしたりする機能がないのが特徴です。仕事中に友達から変顔の写真が送られてきて、上司に見られたら……なんて僕は心配してしまうのですが、若者には親密感が受けているのだと思います。

いまはクローズドSNSの時代

Twitter、インスタグラム、TikTokといった従来のSNSは、不特定多数への発信を基本とし、多くの人と広く浅くつながることができる「オープンSNS」でした。

ところが、BeRealをはじめとするこれら新興SNSはすべて「クローズドSNS」です。つながる人数をあえて限定し、外には発信せず、自分たちの輪のなかだけで交流する――目的は、深く狭い人間関係を育むことです。